PANTA(頭脳警察)乱破者控『青春無頼帖』
1970年か71年か、まだ頭脳警察もやっと名前が出始めた頃、内田裕也とミッキー・カーチスは日本のロックを盛り上げるために、楽器も持ってない若いアーティストを援助していこうと、日本ロックンロール振興会(?)というのを作った。光栄なのかよっぽど情けが必要と見えたのか、その第1弾に頭脳警察が選ばれた。裕也さんから電話があり、六本木防衛庁角の総ガラス張りの喫茶店「サエラ」に呼び出された。近くへ行くと二人が手招きしているのが見え、嬉しくて走り出し店に入った…と思われたその瞬間、訳もわからず火花のような衝撃と早い話が強い脳震盪に襲われた。
店の前に倒れたままハンカチで煽られるわ、水を当てられるわ大騒ぎになってしまっていた。そう、ガラス張りの店のドアに全速力で突っ込んでいったのだからガラスが割れなかったのが不幸中の幸いだったかもしれない。その後の内田裕也、ミッキー・カーチスの顔は記憶にないが、頭脳警察に楽器をあげようという話もそれ以降たち消えになっていたような気もする。まだその辺の話の詳しい人間もいるだろうから詳しい話はそちらに聞いてほしい。