私は今年、レズ風俗のお仕事をはじめて13年になります。お店の面接を受けたときは、こんなに長くキャストとして生きることになるとは想像もしませんでした。思いもよらないことはほかにもあって、レズっ娘グループが東京に進出したことも、4店舗も展開していることも、当時の私に教えてあげることができるとしたら、心から驚くでしょう。
自分がキャストだけでなく、現場監督も兼任するようになったのも、予想外のことでした。ちょうど10年目を迎えたぐらいのタイミングで、お店の代表・御坊さんから「ゆうさん、キャスト兼、現場監督になれへんか?」と提案されたのですね。
以来私は、スタッフとして事務所の仕事をするときもあれば、キャストとしてお客様のことだけを考えて過ごすときもあります。両方の立場から、このお仕事を見て、はじめて気づくこともたくさんあります。
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レズ風俗のスタッフって、何をしているの?
キャストとは、どういう関係なの?
というところから、お話をはじめなければなりませんね。
スタッフのお仕事は、キャストのシフトを把握して予約を受け付けたり、当日までに服装や待ち合わせ場所についてキャストに伝えたり、HPの管理をしたり、写真を撮ってキャストの魅力を発信したり、いろいろです。スタッフごとに得意分野もあります。
「スタッフブログ」もあって、日々いろんなスタッフさんが発信されているので、こちらを見ていただければ、どんな人がいてどんな業務をしてくれているのか、わかっていただけると思います。
それらをまとめてひと言でいうなら、キャストが間違いなく、そして気持ちよくお仕事できるようサポートするお仕事です。
そのなかには、むずかしさもあります。
スタッフは直接お客様にお会いすることもなければ、ご案内の現場を知ることもありません。お客様とキャストのことを、すべて把握するのは不可能です。どれだけ想像力を発揮して、どれだけ寄り添えるかが、カギなのです。
また、「どんなキャストがおすすめか」という問い合わせに対しては、その方がどんな女性を求めているのか、どんな時間を過ごしたいと思っているのかも、汲み取る必要があります。少しでも希望に添えるキャストを案内するには、やはり想像力が問われますよね。相性なども考えなければなりません。
このように、キャストとはまた違った意味で、スタッフにはお客様との接点があります。たとえば、ご利用の前後にいろんなことを不安に思われるお客様は多くいらっしゃいます。そんな気持ちをなんとかしたくて、電話やメールでお問い合わせをされます。
「レズ風俗ホットライン」 というサービスもあって、ご利用の後押しをしてほしい、キャストへの不満や改善してほしいことを聞いてほしい、依存する前になんとかしたい……という悩みにスタッフがとことん付き合います。
私がキャストとしてお客様をご案内しているときに、お客様から「対応がていねいで、感動した」「やさしく説明してもらえて、うれしかった」と教えていただくことがあります。スタッフとのやり取りを経てお客様が安心し、それでこうして逢いにきてくださったというのがわかるので、私たちもうれしくなり、スタッフに感謝します。
こう考えると、スタッフはキャストとお客様をつなぐ役割を担ってくれているのですね。
キャストの不安を、スタッフさんに受け止めてもらうことも多いです。キャストはみんな困ったことがあれば御坊さんに相談しますし、いつでも相談しやすい雰囲気もあるのですが、御坊さんひとりではなかなか抱えきれないこともあります。スタッフ間で共有すれば、解決法が早く見つかるように思います。
スタッフは、私たちキャストにとって心の支えでもあります。みなさん常に私たちの健康を気遣ってくれるのがわかります。身体を労ることは心を労ることだし、その逆もありえます。加えて、他者を労る人は、自分自身のことも労ってあげる必要があります。
お客様とキャスト、その両方を労るスタッフは、精神が不安定ではつづけられません。
私はふたつの役割を兼任することになって、まず自分自身が健康であることが大事だと感じました。レズ風俗は一般的な風俗とは違う、ちょっと特殊な場所だからこそ、トラブルも変わったことが多いのです。スタッフには、健康な心身と、それを受け止める器が求められると感じます。
……つづきは、また次の夜にここで逢ってお話しましょう。
ゆう:永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。 https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025