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トップコラムレズ風俗キャストゆうの 「寝る前に、すこし話そうよ」10回記念・特別対談「ゆう☓レズっ娘グループ代表・御坊」

回記念・特別対談「ゆう☓レズっ娘グループ代表・御坊」

10回記念・特別対談「ゆう☓レズっ娘グループ代表・御坊」

2021.03.23

コラム連載「寝る前に、少し話そうよ」が、連載10回を迎えました。それを記念して、「ゆう☓レズっ娘グループ代表・御坊」対談完全版をお届けします。12年も一緒に働いてきて、もはや同志。日本のレズ風俗の歴史も知るふたりが、ここまでたどってきた道のりとは……?
 
※ゆうが2019年1月〜2020年10月までつづってきた「note」に収録された対談を再編、追記したいものです。
 
(構成:三浦ゆえ)
 
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御坊:僕がはじめてゆうさんを見たときのイメージは、「金髪」。
 
ゆう:そう、面接用の写真を送ったとき、金髪だったんですよね。マシュルームカットで、もう白金に近いぐらいの明るい金髪! でも、それで落とされてしまって……だけど1カ月後くらいにもう一度、写真で応募しました。
 
御坊:まったく同じ金髪でね! 書類や面接で一度落ちたらその後はチャンスがないということはなくて、いま現役のキャストにも一度断ったけど再度応募してきたときに採用した例はあります。でも再トライのときは、せめて髪型をちょっとくらいアレンジしてイメージチェンジするとかしてほしいです(笑)。
 
ゆう:採用後、HPに掲載するプロフィール写真を撮ろうにも、当時のオフィスが狭いわ暗いわで。だったら屋上でってことになったんですが、結果的に自然光のなかできれいに撮れたんですよね。ガチャピンの着ぐるみをきて撮ったこともあった(笑)。あのころは撮影も御坊さんがしていて……。
 
御坊:っていうか、僕ひとりしかおらんかったから。何から何まで、全部ひとりでやっとった。
 
ゆう:あれから10年以上経ってお店が大きくなったいまでは、想像しにくい話ですよね。でもレズ風俗というお仕事に10年単位でかかわることも、そこで出会った人と10年以上のおつき合いになることも、きっと簡単なことじゃない。御坊さんはそのころと比べると、ほんま丸くなりましたよね。
 
御坊:体型のこと!?
 
ゆう:体型も……だけど(笑)、人間的に。もともとの性格は変わってないと思うんですが、昔はギラギラしてましたね、「おっしゃ、行くでー!!」みたいなヤンチャな感じがあった。
 
御坊:そのころは根拠のない自信でやってたんですよ。いまはいいキャストに恵まれてお客さまからも支持をいただいて、それがこんなにつづいてるんやから、もうへんにオラついて周りに自信あるように見せる必要もないな、って。
 
ゆう:ただお店が大きくなった、キャストもお客様も増えたっていうだけじゃなくて、変化が大きいですよね。レズっ娘グループはすぐに新しいことにチャレンジしたり、ルールが変わったりするやないですか。
 
御坊:なんでもやってみんとわからんからね。ゆうさんだけでなく、いろんなキャストが現場から声を拾ってくる。そんで「こういうのできますか?」って提案してくれる。その蓄積で変わってきた。僕やスタッフは直にお客様と接するわけやないから、その声はとても貴重だと思ってます。
 
ゆう:オプションの「デート60分」も、私からのリクエストではじめてもらったんですよね。
 
御坊:ゆうさんには2018年からキャストだけでなく、新人講習もやってもらっています。うちはルールがたくさんあって、ブログの書き方なんかもマニュアルがあるけど、実際にお客様をご案内するときのことは、これまでキャスト一人ひとりの独自性に任せてました。みんな試行錯誤してきたと思います。でもやっぱり、新人が入ってきたときに講習は必要やな、って。そう考えはじめたとき、ゆうさんが10年越えのベテラン選手になっとった。
 
ゆう:実際に、プレイの内容ではかなり細かい技術が求められるんですよ。ポイントを押さえとかないと、お客様に痛い思いやつらい思いをさせてしまうかもしれない……それってキャストにとっても不幸なことだから。私は自分が体得してきた技術を秘密にしておこうと思ったことはないので、まずはそれを伝える。あとは個々に考えたりアレンジしたりして、自分のものにしてもらったらいいな、っていう考えです。
 
御坊:現場監督ですよ。ゆうさんがそこやってくれるから、僕もほかの仕事に集中できるようになった。
 
ゆう:レズっ娘クラブは御坊さんが代表だからか、いい意味で「みんなで稼ぐぞー!」感がありますよね。
 
御坊:それは基本やろうと思っています。だって稼ぎに来てるんだから。みんなお客様に満足して帰っていただけるように日ごろから心を砕いてるし、この仕事にプライドもって働いてくれているんやろうなっていうのも伝わってくるけど、それをつづけていくにも稼がないとね。そこで最近、新たに税理士事務所と契約して、キャストの税周りの相談に乗ってもらえるようにしました。
 
ゆう:ここまでサポートしてくれるところってなかなかないですよ。
 
御坊:ウチのお店とかレズ風俗とかに限った話でなく、性風俗産業では、税のことをちゃんとしてなくて、それで後ろめたさを抱えている人が多いと思うんですよね。そういうことって学校でも教えてくれへんし、仕方ない部分もあるけど、きちんとしていったほうが働いていても気持ちいいし、辞めたあとにも後ろめたさがつきまとわない。ここをクリアにすれば、全員が胸を張って仕事できると思ったんですよ。
 
 
御坊:僕から見ると、ゆうさんを指名されるお客様って、ほんとみなさんいい方ばかり。問題やトラブルがすごく少ない。
 
ゆう:私も、本当にいいお客様に恵まれてるなぁって心から思ってますよ。
 
御坊:お客さまってキャスト本人と似てきぃへん? 性格が似てきて、それが利用のされ方にも反映される感じ。これまでにトラブルが多いキャストもおったけど、そのお客様にはトラブルメーカーの方がちらほら……。キャストたちにもさんざん伝えつづけてきて、最近はそういうこともほとんどなくなりましたけどね。
 
ゆう:ふたりで長い時間を過ごすと、お互いに何かを吸収し合うんですよ。ある程度、価値観を共有できる人じゃないと一緒にいつづけるのは無理かなって。私たちキャストも、お客様から影響を受けていることがいっぱいあります。
 
御坊:ゆうさんのお客様は“箱推し”というか、お店全体を応援してくれる方が多いね。
 
ゆう:うん、それもわかりますね。さっき「みんなで稼ぐぞー!」って話をして、それはすごく大事だと思うんですが、私の場合、いつごろからかお金だけじゃない部分で働いてるところが大きくなったんですね。お客様も、ビアンコースで気持ちよくなってリフレッシュして、はい終わりではなく、この体験を自身の人生や生活に取り入れていこうという感覚でもって利用されているなと感じます。そこには私のことを、ひいてはお店のことを支えたい、応援したいという気持ちを感じるんですよね。
 
御坊:勤続12年ともなると、お客様の層の厚みみたいなものもあるしね。
 
ゆう:辞めようと思ったことは何度もありますけどね。私はけっこう、あかんわと思うことがあったらすぐ「辞めます」ってなるんですよ。そこで御坊さんが、「ちょっと待ちぃな」「よぉ考えよか」っていって飲みにいく。
 
御坊:ほんまそういうキャスト多いわ~、「ちょっと待ちぃ」と(笑)。いや、僕も片っ端から止めたいわけじゃなくて、辞める理由の根っこのところを知りたいんよね。プライベートの領域の話ではあるけど、結局はそれで辞めようって思ってるんなら、お店全体にも関わってくる話やから。
 
ゆう:私たち、酒を飲みながらでもまじめな話をよぅしますよね。キャストって、ほかのキャストにもスタッフさんにもプライベートなことは相談しにくいんですよ。もちろん、お客様にもいえない。家族や友だちに黙ってこの仕事をしていることも多いから、そこでも話せない。でもキャストだって普通の人間で、リアルに悩んでたり迷ったりすることがあるんです。
 
御坊:ほんまにね。たとえば辞める理由が「彼女ができました」だったら、それは祝福もするけど、お金貯めてやりたいことがあるっていってたけど、それはどうすんの? 自分で決めた道をあきらめてえぇの? って。もちろん本人が決めたことは尊重するけど、ほんまに冷静な判断かどうかは確認しときたいです。そうしてちゃんと気持ちを聞かせてもらっておいたら、しばらく経ってそのキャストが「もう一度働きたい」ってなったときも、言ってきやすいやろうしね。出戻りはしやすい環境にしてます。解雇されたキャストはだめですよ、もちろん。
 
ゆう:私も実は、出戻りなんですよね。で、気づけばトータルで12年。やっぱり私にとってもお店にとっても大きな転機は、永田カビさんの『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(2016年、イースト・プレス)でした。
 
御坊:そんなこんながあって、いまはレズ風俗っていうのがもう世の中で当たり前のように存在しているってなりつつあると感じます。「レズ風俗なんてあるの!?」っていう声はあんまり聞かなくなりましたね。
 
ゆう:今後もよろしくお願いしますよ! 同志として。
 
 
ゆう:永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。 https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025
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