ああ、忙しくて眼が回るわ。各地での実演会、当ホテル地下のラウンジ・NAMECOでの録音、ジャケットのデザインやビデオ制作など、全てがワタクシの指揮の下同時進行しているの。貴方信じられる? お陰でステージの後ゆっくり飲む暇も無くて手足が震えっぱなしよ。誰か助けて頂戴。
さて、今月もしょうもないお葉書を読むわよ。
私は20歳の大学生の女です。身長155センチ・体重60キロ越えのデブです。ダイエットはどれも続きません。大好きなお酒を飲みながらめっちゃ食べてしまうし、深夜のスイーツもやめられません。大学のバンド・サークルでは、みんな私にドラムをやらせようとします。本当はマリアンヌさんと同じようにボーカルをやりたいんですが却下されました。マリアンヌさんのように細くて美人ではない、デブの私はドラマーになるしかないのでしょうか?
なーにがスイーツだか。このお嬢さんは脳味噌も脂肪まみれ? 女性には割と手加減するワタクシだけれども、こう云うダラシの無い甘ったれは同じ女として風上に置けないわね。ダイエットの相談かと思ったら、努力しないで目立ちたいだけじゃないの貴女。そんな人は、バンドのフロントを務めるどころか人前に出る資格すら無いんじゃないかしら。と言いところだけれど、ひとつ解決策があるわ。
自分よりも太って醜いメンバーを集めれば良いのよ。そこでは貴女は女王様。メンバー達は下僕。貴女が深夜にどれだけスイーツを喰らおうと、誰も文句は言いません。美と同じく醜さも一定基準を超えるとアートになります。それで死ぬ程歌が上手かったりしたら(まあ下手でもどっちでも良いんだけど)貴女は即カリスマ視され(極々マニアックな狭い世界で)、それなりに退屈しない人生を送れるかも知れなくてよ。グダグダ悩んで居ないで、神々しいまでの醜を極めてみる事をお薦め致します。結果、何が起きても責任は持たないけど。
では、本日はこれにてお開き。
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