猫を飼い始めて4ヶ月が過ぎた。公園に捨てられていたという仔猫を動物病院から引き取ったのだ。散歩中の犬に発見されたのだという。
これまで犬やオウムや亀を飼った経験はあったが猫は初めてだったから、まさかこんなに癒してもらえるとは知らなかった。今もスヤスヤと眠っている猫を膝の上に乗せてこの原稿を携帯電話のメールに打ち込んでいる。
いろんなイライラが猫によって解消されている。私が猫を飼い始めたとツイッターで報告したとたん「KERAさんは犬派だと思ってました」「猫派だったとは意外です」というリプライが山のように届き、あたかも犬が好きな人は皆猫が嫌いで、猫が好きな人は自動的に犬が嫌いなのが当たり前のような言われ様にポカンとし、「私は犬も猫も好きです。亀も鳥も猿も好きです」と返したが、それでは納得いかない馬鹿者が多いらしく、こちらも半ば喧嘩腰で「どうして犬か猫かを選ばなくてはならないんだ」とギャーギャー騒いだものだが、「そんなことはどうでもいいじゃニャいの」とばかりに、一応お決まりで猫っぽく「ニャいの」とか書いてみたが、それはともかく、ふと傍の猫を見ると、世間なんてどうでもいいじゃニャいかという顔で私にじゃれついてくるので、「ほんとほんと、まったくその通り」と撫でてやれば、猫は台所にスタスタと消えていき、ガサゴソという謎の音がしたかと思えば、ビニール袋をくわえて戻ってきたので、「何を持ってきたんだい」と見てみたら、さっきゴミ箱に捨てたばかりのウンチだった。あっぱれとしか言い様がない。
▲ちなみに猫の名前は「ごみ」。夏に自費出版で写真集を出版予定。