8月になると、NHKを中心に、毎年のように「大平洋戦争の真実を語る」的なドキュメンタリーが数多く放映される。「終戦後65年余を経て、今ようやく語る」みたいな論調。当時兵隊にとられた世代は若くても80代半ばになっていて、生の声を聞くならば今が最後のチャンス、という理由も少なからずあるだろうが、それ以上に、要人を始めとする「ヤバイ連中」が概ねあの世にいったから、ということの方がでかいに違いない。
「長崎の原爆は、実は投下の数時間前に日本軍のレーダーで察知されていて、当然大本営にも知らされていたにも拘わらず、避難警報すら鳴らさなかった」といった驚愕の事実が、証拠となる軍事機密書類と共に露わにされた。
多くの視聴者は、例年とはまったく異なる心持ちで、こうした番組を観ていたことだろう。「半世紀以上も待たねば、真実は明らかにされないのか」という思いだ。言うのもヤボだが、原発事故の話だよ。
ずっと昔のことだって、そりゃあ、騙されっぱなし隠されっぱなしよりは、本当のことを知りたいさ。ただ、さすがに、今、これだけの目の前にある脅威を感じながら、祖父祖母の世代の隠し事を「実はあーでした、本当はこーでした、悲惨ですね」なんて言われたって、みんな今と重ね合わせて不安になるばかりだ。
今更ながら生まれて初めてパソコンを購入したので、YouTubeを見まくっているのだが、改めて清志郎さんはすごいな。テレビで「FM東京オマンコラジオ」と歌い放ち、慌てたあまりしどろもどろになった司会(古舘伊知郎)のインタビューも、視聴者への謝罪もシカトで通した有名な事件を始め、テレビであんなに言いたいこと言った人もいないんじゃないか。
でもそんな清志郎さんはもういないんだ。自分を棚に上げる気は毛頭ない。日本の官僚よ、恥を知れ。国民よ、もっともっと勇気を持ち、自分を信じ、自分なりの行動を。
▲ボスが生きていたなら、今頃どんな歌を唄っていただろうか。