いやあ、ビックリした。先日、某音楽関係者の知人が仕切る新年会に参加したのだが、そこに顔を連ねた若い音楽家の何人かが、私のよく知るミュージシャンの息子さんだったのだ。
OKAMOTO'Sというバンドのドラマー、レイヤくんは、ザ・プライベーツのヴォーカリスト、延原達治がお父さんなのだと言う。あれは84年頃か、延原は目黒のライブハウス「鹿鳴館」でアルバイトをしながら、自らのバンド(すでに「プライベーツ」だった)で活発に動いていた。私たちのステージは、いつも彼がオペレートする照明で照らされていた。
そんな延原の精子から受精した生き物が、今やドラムを叩いて多くの若者を魅了していると言うんだからオドロキじゃないか。しかも、同席していた彼のリズム・パートナーである19歳のベーシストは、ダウンタウンの浜ちゃんの息子さんだと言う。髭を生やしていたからあまり分からなかったが、そう言われればお父さんにそっくりだった。
RIZEというバンドのベーシスト、KenKenは金子マリさんとジョニー吉長さんの息子さんだと言う。銀杏BOYZの峯田にも似た、前のめりで、まっすぐで、人間に興味津々で、異様なテンションの若者だった。
彼らにしてみれば、父親の話題なんか自分の音楽聴いてからにして欲しいに違いないが、年上の知人ならともかく、同い年(浜ちゃんは同い年、延原も同じか一つ下だ)で、ほぼ同時期に世間に認知された人たちの子供達が、今、こうして勢いのある音楽活動をしているのを知ると、なんとも言えない感慨があるものさ。
ともあれ彼らの音を聴いてみよう。「自分は演劇人である以上にミュージシャンだ」と豪語しながら不勉強で申し訳ない。次回会った時までお父さんの話題ではあまりに失礼だし、なによりそんなダメなオッサンにはなりたくないからね。