CD不況? それがどうした、やりたいことを詰め込むだけだ!
ケラ&ザ・シンセサイザーズのレコーディング中である。新しいアルバム『BODY & SONG』(仮題)は年末にリリースされる。
毎度陰気な話で恐縮だが、メジャーのみならず、インディーズ業界も売れ行き不振で大変らしい。「らしい」というのは、ここ数年、音楽でも演劇でも、私は作品作りに集中するために、なるべく経済面・経営面からは身を引き、目を背けるようにしているから、すっかり疎いのだ。
バンマスであり、レーベル・オーナーでもある三浦俊一が言うことには、今回の新譜の売上見込枚数は、ぶっちゃけ、1000枚を切るかもしれないという。若手や中堅のCDも、店売り200枚、300枚止まりがザラだと聞くと、なるほど、そりゃ大変だと思う。
昔のように、1日30万のスタジオを1ヶ月使うような贅沢なレコーディング環境は望むべくもなく、「スタジオ外で録れる音はすべて自宅で」というのが昨今のレコーディング事情。
そんなわけで、シンセサイザーズのレコーディングも、皆さんと同じように貧乏だ。リズム録りとボーカル録音以外は各自が自宅で行う。狭いスタジオの中で三浦が、別のリリース作品についてどこかのデザイナーさんに「ホンットお金が無いんで…」と電話している。客観的に見ると哀れを誘うような現場である。
が、そんな環境でこそ生み出されるマスターピースもあろう。俺はデブだから狭いスタジオはつらいが、やりたいことを詰め込めればそれで良いのである。
ご期待頂きたい。
日本レコード協会によると、2009年の音楽CD生産額は2460億円。音楽配信や無料メディアの台頭により2000年に比べて53%減ったというから、この10年で“半壊”したことになる。CD不況を象徴するHMV渋谷の閉店に追従するかのように、TSUTAYAもCD販売を手がける820店が来年の3月までに音楽CDの売り場を4割縮小するという。