遅→怒→高→許。悪循環、最高!
ロフトプラスワンが開店15周年を記念して製作することになったオムニバスCD『ロフトプラスワン公式サウンドトラックvol.1』に、犬山イヌコとのユニットで参加した。犬山と私が隔月で『INU-KERA』というトーク・ライブをやらせてもらっている縁で呼んでもらったのだ。
精魂込めて作ったかなりひどいバカ演歌が出来上がったので、完成の暁にはぜひとも聴いて頂きたい。といっても作詞も作曲も犬山で、私はキーの合わぬままコーラスをやっているだけだけど。
犬山はレコーディング当日、スタジオ入りしてから、私の「演歌でいこうか」という一言に、1時間ほどで、詞を書き曲を仕上げた。ものすごい才能というか行き当たりバッタリというか、ともかく呆気にとられたが、考えてみれば、私とて、演劇活動にせよ音楽活動にせよ、いつも締め切りギリギリ、いや、締め切りはとっくに過ぎなんだけどギリッギリ滑り込みセーフ、みたいなことの繰り返しなのであり、当然周囲の方々には迷惑をかけっぱなしなものの、もはや締め切りを過ぎないと体も心も起動しない生物になり果ててしまっている。残念なことだが仕方ない。
しかしながら、肝腎なのは出来上がりである。ギリギリだろうが何だろうが、完成品の出来さえ良ければ、皆さん怒りながらも「今回だけだぞ」とか言って許してくれる。ということがわかっているから「締め切りなんか守らなくたって大丈夫」という気持ちになる。で、またもや輪をかけて遅れる。皆さん激怒する。出来が良い。許してくれる。さらに遅れる。激怒。最高の出来。許し。遅れ。激怒。最高。許し。遅。怒。高。許。
典型的な悪循環である。悪循環、最高! この原稿だって昨日が締切だったぜ。そのうちひどいメにあうのはわかっているから、その時だけ誰か代わってくれまいか。
2月に行なわれた『INU-KERA vol.11』、ゲストはラサール石井氏でした。