自分たちで道を切り拓く楽しさ
── 6月にリリースされた『涙の銀座線』では振付を担当されていますが、ダンスは何年ぐらいやられているんですか?
「14歳の時にで元テレ(※1)の“ダンス甲子園”(※2)を見て影響されて、途中空いてはいますけど、10年ぐらいはやっていると思います。『涙の銀座線』の振付は、初めて聴いた時にイメージは出来ていたんですけど、リーダーの酒井くんに“どう?”って見せたら、“しっくり来すぎて面白くない”って。その時に、もっとインパクトを与えるにはこの逆を行けば良いんだと気付いて、歌詞の意味を自分なりに解釈しつつ、お子さんから年配の人まで一緒に楽しめる振りを考えて、PVを録る1日前に振りを変えたんです」
── もともとの振りはどんな感じだったんですか?
「ジャズに近い感じでした」
── スーツをまくるような、キザな振りもありましたが。
「あれはキザというか、マイケル・ジャクソン風の要素を1つ入れたかったんです」
── なるほど。この曲でこういう踊りをするんだっていう、意外性がおもしろいですよね。
「この世代でムード歌謡をやっている人がいない分、自分たちで道を切り拓いていけるから、すごく楽しいです。今の振りは、見方によっては“なめてんの?”って思われるかもしれませんが、俺たちは至って真面目に格好良くやろうと思っているんですよ。でも、営業に行った先で俺たちがあまりにも真剣すぎるから、お客さんは“笑って良いのか?”と思うみたいで、声を出して笑えば良いのに一生懸命我慢してるんですよ(笑)。笑っちゃ失礼と思っているんでしょうけど、笑ってもらえるんなら笑って良いんです」
── 1日に何店舗も営業に行って、メンバーとの仲は深まっていきますか?
「仲は深まっているんですけど、プライベートは分けていてその後に飲みに行く事もないですし、1日中一緒にいることってほぼないんです。ただ、はなまるマーケットに出演させて頂いた時は、集合時間が早かったので前日から全員で事務所に泊まったんです。その時に、メインボーカルの白川裕二郎は健康オタクで毎日マラソンしているんですけど、こういう日はどうするんだろうって思ったんですよ。そしたら、朝方まだみんな寝てるのに、部屋の向こうの方からハァハァ聞こえてきて見に行ったら汗ビチョで腕立てしてて、聞いたら朝4時から起きて走ってきた後だって。できます?」
── できません。そもそも毎日走ってないですが、どこか行ったなら今日はいいやって思うと思います。
「あの人には、今日ぐらいいいっていうのはないんですよ。そこは見習いたいなって思いましたよ」
── 他のメンバーの、尊敬できるところはそれぞれどんなところですか?
「リーダー(酒井)は先の先まで考えられる人です。視野がすごく広いですね。あと、落ち着いてるし、親しみやすいから、イベントで年配の方の気持ちも掴めるんです。でも、ああ見えて本番直前まで静かに考え込んでいるんですよ。そういう風に見えないでしょ?」
── 意外です。メンバーさんしか知らない顔ですよね。
「そこがスイッチなんだと思います。だから、僕たちがテンション上げようと思って、“イェーイ”とかやっても“今そういうテンションじゃないから”って絶対に言うんです(笑)。(小田井)涼平くんは、最終的に主導権を握るまとめ役。迷った時に相談出来る人です。(林田)達也は、俺から見たらタフだし素直だし、頑張ってるなって思います。このグループの中で一番緊張しいなんだけど、背中を押して行く道を作ってあげたら瞬発力があって、そうなった時の達也は魅力的です。BLue-Bでボーカルをやっていた時はそういう感じだったんだなって見てますね。翔太は最年少だけど、一番しっかりしていると思います。ステージの経験はなかったんですが、純烈で営業をしていく中ですごく成長してます」
海外の人にどう受け入れられるか興味がある
── 友井さんは“仮面ライダーアギト”を始めとしたテレビにも多く出演されていましたけど、これまでと違う音楽というジャンルで、こうやってまたステージに立てるということは、ご自分としてはどんな思いがありますか?
「音楽と役者は違うと思いますけど、表現という意味では同じだと思っています。役を演じるのと同じで純烈になりきってる。キャラ作りをしていないようで、実はしているんです」
── そのスイッチは?
「本番に入る前ですね。あと帽子が好きで普段髪をセットすることがないので、セットしている時にテンションを上げます」
── セット=仕事みたいな? ちなみに、帽子はどれぐらいあります?
「100個ぐらいはありますよ。中2ぐらいから服とかに興味を持ち始めて、その時に買った66モデルのジーンズは今でも履いてますし」
── 体型が変わってないってことなんですね。他に趣味というとどんなものがあります?
「ショッピングもそうだし散歩も好きで、リーダーとパワースポットに行ったりします。リーダーがパワースポットに詳しいんですけど、僕はパワースポットとか占いはあまり信じてません。占いは、占ってもらうことによって意識しすぎちゃうと思うので、占ってもらったことはないですし」
── 自分が思った道を進みたいってことですね。
「ぶれたくないんです」
── これまで、自分が思ってきた道はちゃんと進めてきていますか?
「その思いが弱いから、今までタイミングを逃してきたと思うんです。もっとチャンスをうまく使えていたら結果は自ずと出てきたと思いますけど、それがゆるかったから純烈に来る前の自分に至ってたんじゃないかな」
── 今は純烈としてちゃんと歩めてる?
「歩めてます。純烈のやっていることは、これまでの自分の人生でやったことのないジャンルですけど、今は歌で人を感動させたいとすごく思っています。それで聴いてくれた人から、出会えて良かったとか、あなたを知れて私も変われたって言われるようになりたい。仮面ライダーをやっている時に、僕の役に影響を受けたというファン方から“あの役を見て救われた”と言って頂いたことがあったんです。それがすごく嬉しくて、純烈でもそう言ってくれる人に出会っていきたいです」
── これまでの活動を振り返って、地に足付いてる感じってあります?
「それが全然ないんです。これからです。」
── これからもっともっと上を目指して…。
「だから、まずはいろんな人に純烈を知ってもらわないと。ムード歌謡というジャンルを若い人たちにももっと聴いてもらいたい。109でたまってるギャル達が、カラオケで『涙の銀座線』を振り付きで歌ってるのを見てみたいです」
── TVも雑誌も営業もたくさんされていて、こちら側としては順調に見えていますが、実際はどうですか?
「ありがたいぐらい、たくさん活動させて頂いています。でも、まだ企画モノとして見られているところが多いのも感じています。僕たちは真剣にこれでやっていこうと思っているので、それをちゃんと伝えて行きたいです」
── では今後の夢とか希望とかを。
「夢としては、銀座線の発着の音が『涙の銀座線』になったら嬉しいですよね。あとは、まだ見た事のない世界を見てみたいです。身近な夢でいうと純烈をもっと知ってもらい、ムード歌謡を一緒に楽しめるグループになっていきたい。大きな夢で言うと、ニューヨークとかってストリートライブをやってますけど、日本で成功したらそこにパフォーマーとして行きたい。海外の人が日本で勝負してることはありますけど、日本の人ってあまりいないじゃないですか。僕の友達のダンサーは、ニューヨークに渡ってブロードウェイに立ってる人もいますけど、海外で度胸を試す人はなかなかいないんですよね。前に何度か世界ウルルン滞在記に出させて頂いて海外に行ったんですけど、海外の人たちってすごくキラキラしてるんです。純粋にああいう人たちって良いなと思いますし、その人たちの前でパフォーマンスを見せたらどんな反応をするかを知りたいんです」
── なるほど。では、最後に言い残してることがありましたら。
「若い人たちに言いたいのは、とりあえずインターネットで“純烈”って調べてください。曲だけだと伝わりきらないかもしれませんが、映像も見るとより楽しめると思います!」
※1:天才・たけしの元気が出るテレビ!!
※2:元テレ内の超人気企画。高校生のグループが、オリジナルのダンスを披露するというコンセプト
次は「白川 裕二郎」さんを紹介頂きました。
誌面での掲載は今回が最終回となりますが、WEB Rooftop(http://rooftop.seesaa.net/)にて継続していきます☆ ますますパワーアップして掲載します!