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トップコラムイノマー<オナニーマシーン>の『自慰伝(序章)』第二回「人生最後の夜ごはん アナタは誰とどこで何を食べますか?」

回「人生最後の夜ごはん アナタは誰とどこで何を食べますか?」

第二回「人生最後の夜ごはん アナタは誰とどこで何を食べますか?」

2018.10.01

 

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イノマー入院&手術で現在個別活動中のオナマシの3人……ひとり、癌<ガン>。
 

生きのばし

連載のVOL2となる本稿。手術して、入院先のベッドの上でルンルン気分でゲンコーを書こうと思ってたんだけど、いろんな人たちに聞いたら、口腔底癌の手術ってそんなに甘いもんじゃないらしい。てへ。
 
入院は9月3日で手術は5日。ちなみに、これを書いているのは9月2日ね。入院前夜。手術して1ヵ月はゲンコーを書く気力も体力も脳ミソもないとのこと。アハハハハ。
 
そかそか。そーか、四面楚歌。
 
はい、なめてました。DOにかなるだろうって。なんで、まだ入院もしてなければ、手術もしてません。下北沢のワンルームマンションです。ソラナックス(お医者さんからもらってる精神安定剤)を大量に飲みながら、不安と恐怖と闘っております。
 
トホホーーーーーー。
 

祝! 大食い王決定戦、復活!

手術をすると舌を3分の2切断することになる。手術前の話なんで、実際にはもっとなんていうことも考えられる。
 
するってーと、上手く話せない、歌えない、そして食べれないという三重苦に苦しむことになる。話せない、歌えないというのはオイラにとって致命的ではある。でも、それも運命。リハビリでどこまで元に戻せるかチャレンジだ! なんて思っている。
 
ぶっちゃけ、キセキすら待っているところがある。手術後、センセーに「奇跡が起きました。リハビリ次第では今まで通り話せますし、歌えますよ!」なんて言われちゃったりして、とか。もう前向きプラス思考。良いことしか考えない。妄想しない。
 
それに比べ、食べることに関しては、まあいっかと。一生、まともに食事という行為が不可能で、カプセルを飲むだけとなっても構わないくらいのノリではある。
 
だからテレビを観ていてあれが美味い、これは不味いとか言ってる奴は下品だな、なんて思ったりもする。いろいろ言っちゃあいけない。黙って出されたもんを食べればいいんだ。
 
結局、何を食ったってウンコになっちゃうんだから。食通のグルメみたいなタレント……あれは情けないな、って。爆食女王は別よ。大食い番組は録画して観るくらいに大好きだからね。
 
オイラはミス鎌倉のファン。枡渕祥与、大好き。彼女は良い。うん。『大食い王決定戦』で何度、オナニーしたことか。彼女が食べてる姿を見ているだけで幸せな気持ちになり、射精に導かれる。番組内での水着姿は絶品だった。
 
何の話だ?(笑)
 

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人生最後の晩餐、オイラの場合は最悪なストーリーへと。みなさん、ちゃんと考えていたほうがいいッスよーーー。

 

オイラの最後の晩餐……

オナマシ、マネージャーのタカシットから連絡が入る。レコーディング関係の件かなと思ったら、「最後に何か食べましょうよ。もう、食べれなくなるんですから、最後に」と最後を連発。「何か食べたいものないですか?」
 
「特にない」とオイラ。いや、本当に思い浮かばない。最後の晩餐。別に部屋でひとりで結構。「ひと通り思いつくものは食べちゃったんだよね、実は」
 
でも、最後に(笑)一緒に食事をしたいというタカシット。しょうがないので昔、よくみんなで行った下北沢のお好み焼き屋さん『せっちゃん』へと行くことに。タカシットの他にオナマシ・スタッフとオノチン。計4人。
 
最後に行ったのは……忘れた。15年くらい前は週に3回は行ってた。朝方に。4〜5軒目で行くお店。もちろん、記憶はナッシング。
 
サンボマスターとのスプリット『放課後の性春』のジャケットまわりの撮影&取材は確か『せっちゃん』だった気がする。
 
対談も行ったのだが、お好み焼き、もんじゃ焼きの鉄板音で何を話しているのか聞き取れないとライターさんが嘆いていた。鉄板焼き屋さんで取材なんかするもんじゃないね。あと、焼き肉屋さんも。
 
入院の前日に意味なく集まった4人。オイラも含め、共通しているのは全員、特にお好み焼きが好きというわけではないということ。
 
誰も率先して注文を取ろうとしない。お好み焼き、もんじゃ焼きに興味ナシ(笑)。4人で鉄板を囲んでただ黙っているだけ。何かしゃべれよ! こっちはもうすぐしゃべれなくなるんだじょーーーーー。
 
この類の食べ物って誰かリーダー的な人間がいないと成立しない。しょうがないのでオイラがオーダーをすることに。
 
何でだよ!?
 
テキトーにもんじゃ焼き、お好み焼き、おでんなんかを注文。ここ、おでんが美味しいんだよな。アセロラ割とね。15年前は店の瓶ビールを全部飲んだ記憶がある。
毎日、ひっどい飲み方をしてた。そりゃ癌<ガン>にもなる。納得。自分の身体で癌<ガン>を培養した結果の今。
 
もんじゃの具材が届いたので熱した鉄板に何も考えずブチまける。まずは土手を作ってとか、そんなことやらない。いいんだよ、焼いちゃえば。火を通せば大概のものは何とかなる。実際、食べたら美味しかった。
 
ゴキブリだって素揚げで食べたら悪くなかった。緑色の体液が苦くて1週間は口の中に残ったけど。あ、もちろん取材でだよ、オリコンの(笑)。オイラ、こんなことばっかしてたから口腔底癌になっちゃったんだよーー。
 
ま、もんじゃ焼きはそんな感じ。すぐに4人でペロリ。続いて、お好み焼き屋はオノチンが担当。オイラには任せられないと判断したんだろう。「俺、やるよ。だって、これ、イノマー最後のゴハンなんでしょ?」って。ちと涙ぐんでる(笑)。
 
だから、何なんだよみんな? 辛気臭い。お好み焼き作りながら泣かないでほしい。『せっかくだから』、『最後だから』……もう、聞き飽きた!(笑)


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マジックミラー号にて入院する病院へと向かう。童貞にとってこんな夢のような話はない。オイラ、童貞じゃないけどね(笑)。

オイラとオノチン、年齢足すと100超えるんだよなあ(笑)

 
とにかく、まー、偶然か必然かオイラの人生最後の晩餐はお好み焼き。何度も言うけど特別に好きじゃなわけじゃない。
 
やれやれ。これが人生。
 
10代の頃、<もしも、人生最後の日に食べるなら?>なんていう不毛な話を誰もが『食わず嫌い王決定戦』を観ながらしたはずだ。とんねるずとのスイートなメモリーズ。それが現実になちゃった。
 
オイラ、確かずっと「王将のチャーハン定食かな?」なんて言ってたから大して変わんないか。チャーハンだって本当に食べたくて言ってたわけじゃない。
 
寂しかったんだよーーー。って、何だこの話? いや、20代から30代ってチャーハンばっか食べてたな、って思って。
 
お金持ちになったら回らないお寿司屋さんでお腹いっぱいになるまでお寿司を食べまくってやろうと思ってた。
 
でも、それってそうハードルが高いわけじゃない。お寿司、オイラは6貫くらいでお腹いっぱい。これにお椀があればOKなり。
 
ネタも赤身とサーモン、それにサバかな。そしたら、そんなに高くはつかない。
 
つーかね、実際の最後の晩餐がお好み焼きになってしまったことがショックなわけじゃない。その相手がオノチンだった! っていうことにヘコんでるだけだ。
 
何でオイラは人生最後の食事をオノチンなんかと一緒に過ごしているのか?(笑) その事実にドン引きしている。
 
トホーーーーー。なんて人生だ? 残念でしかない。ヘコむわーーー。何を食おうがDOでもいい。人生ラストの夜だ。そんな大事な夜にオノチンとディナー。何でもない週末の夜にオノチンと一緒、っていうのでさえヤだ! っちゅーのに……。

……

最終的にメンバー、スタッフに囲まれ『バンザイ』、『バンザ〜イ』と送り出され、出兵気分ギンギンのイノマーくん。応援してくださる方々のために癌<ガン>をブッ殺してきやす、と。でもお好み焼きじゃあパワー出ないよなあ、なんて思いつつ帰宅。
 
明日の朝にはお迎えが来る。って、そういう意味じゃないよ。入院するためマジックミラー号がオイラと荷物を入院先の病院まで運んでくれるっていう寸法。てへへ。
 
さてはて、入院前夜。次、部屋に戻ってこれるのはいつのことかしらん? なんて。
 
目標1ヵ月!
 
手術はお医者さん、リハビリはオイラ。DOにかして1ヵ月以内にやっちまえば、オナマシのもろもろ作業にも間に合う。
 
うううっ。
 
つーか、手術って痛くないのかな? 成功するのかな? 麻酔が途中で切れたりしないかしらん? なんてことを考えてたら朝になってしまった。
 
荷物、荷物ーーーー。ほっとんどない。衣類だけだもの。手術直後のパジャマとかは病院レンタルに任せてあるし。エロ本もOK! 何かあったときのためね。困ったときのエロ本とオセロ。昭和の悪い癖だな。てへへ。
 
入院している間にもオナマシのことやら、取材、ゲンコー書きなどやることは山モリマン。良いことだ。だから入院用のバッグの中はそんな仕事関係のものばかり。何しに行くんだ? 舌を切りに行くんだじょーー。
 
何度も言う。繰り返すけど、舌を切ると食べることはもちろん、歌うことも困難になる。リハビリでどこまで回復できるのか? そうだよ、歌えなくなっちゃうんだからね。その辺のことを気づかってほしい。
 
最後の晩餐やら、ラスト・クンニやら……ち・が・う・だ・ろ。違うだろ! 声だよ、歌だよ。オナマシ、これDOなっちゃうのよ。
 
その辺のことを誰も言ってくんない。気を使ってるのか、本当に何にも考えて……ないんだろうな。メンバーもスタッフも、そして、残念なことにオイラも(笑)。
 
オナマシ20周年記念アルバム『オナニー・グラフィティ』の発売も近い。アハハハハ、こりゃ面白くなってきた。
 
一体、DOなっちゃうのか、このバンド(笑)。ムチャクチャなスケジュールで動いてます。明日から入院&手術!(笑)
 
つーか、オイラ、手術したら歌えなくなっちゃうんですけどーーーーーーーー。
 
レコーディング、どうすんのよ?(笑)
 
ギャフン。
 
 
 
《追記》前回書き過ぎてRT担当編集ちゃんから『文章、入りきりませんでしたーーー』と泣きが入ったんで今回はこれくらいで。もうだらだらと書きまセンズリ。3000文字リクエストに6000文字で対応しただけなのになあ(笑)。ぐっすん。
 
 
●PROFILE:いのまー。大学を卒業してオリコンに入社。32歳で退社後に雑誌『STREET ROCK FILE』<宝島社>を創刊、性春パンクバンド“オナニーマシーン”をスタート。インディーズ、メジャーと渡り歩き現在に至る。
 
 
 
 

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