僕は、これと言った趣味はないんですが、大学時代に落語研究会に入っていたこともあり、落語を見ることが好きで、時間があるとDVDを見たり、今ではネットでいろいろ昔の名人の噺が聞けたり見れたりする。とても便利な世の中で、こんなに幸せなことはない。
その中で1970年代の落語を聞いていると、まくら(落語の本題に入る前の話)で「不景気で…」という話があり、この頃は高度成長期なのにな〜と思いながら、1980年代の落語のまくらでも「このところ不景気で…」、1990年代のバブルの頃でも「好景気と言うけれど、我々庶民にいつ恩恵があるのか…」とバブルのことでも景気が悪いと言っている。
これは景気が悪いのではなく、「庶民=不景気」なだけで、一般的な生き方をしている以上は景気は永久に良くなることはなく、どんな時代も不景気を感じながら生きるのが庶民なのではないかと思った。
では、どうすることやどう生きることが大事なのか、それは「楽しむこと」。どんな状況でも「楽しんでいればチャンスがある」。
いつもいたずらばかりする三人が、とうとう捕まって罰を受けることになった。そうは言ってもいたずら程度の悪さ、そこで町のドブ掃除をすることに。汚れるし、臭いし、汚いし、嫌々やっている三人の中、一人の男が「馬鹿みたく楽しそうにやり始めた」。見物人は日々楽しそうにドブ掃除をするその男を見て「何がそんなに楽しいんだ?」と聞くと、「お前には教えてやらないよ!」と言い返した。
その話が広がって、それでもその男は「楽しくドブ掃除」を続けた。すると、見物していた一人が「頼むから教えてくれよ。お金払うから」と出てきた。「仕方がないな〜」と金をもらって大勢の人にドブ掃除をさせて、罰は終えるし、金は儲かるし、一石二鳥。
どんな状況も「楽しむ」ことで人生を大きく変えた話。庶民でいることをもっと楽しんだり、日々楽しむと人生は変わるかもしれない。