室外機は意外と汎用性が高い。
エアコンの需要がある場所には必ずついて行かねばならない訳で、あらゆる場所に耐えることができる強い環境適応力と精神力が必要になる。
家のベランダやビルの側面についているだけではない。
周りを見渡せば、意外な場所にひっついていることもある。
屋形舟もそうだ。
川の上で呑気に花火見て天ぷら食べて酔っ払ってそれを吐くのも、快適な空調があればこそ。
屋形舟にだってエアコンは必要な訳で、それは即ち室外機が必要ということである。
それにしても、
屋形舟についている室外機は美しい。
アナログな船体に、いかにも後付けされたように並ぶ室外機は、スターウォーズでいえばスターファイターに搭載されるR2D2のようである。
決して言い過ぎなんかじゃない。それくらいクールな姿である。
バックから眺めるそんな屋形舟の姿は、新作スターウォーズの宇宙船なのではと錯覚するほどである。
って、
これは言い過ぎた。
さて、
屋形舟は定員50〜80人くらいの船が多いと思われる。
広さは約30畳ほどだろう。
天井の低さ、システムの置場を考えても業務用ではなく家庭用エアコンに頼らざるをえない。
それだけの広さの中で空調を届かせるには、やはり複数台が必要になってくる訳で、当然室外機もその数だけ設置される訳だ。
室外機だって船酔いするかもしれない。
潮風がきついかもしれない。
通常業務より過酷な環境に違いない。
でも、室外機にとって珍しい動く現場だ。夏には花火を特等席で観ることが出来たりと、それはそれで幸せだったりするものだ。
エンドケイプ profile
職業:モノカキ
日本を代表する室外機フェチで37歳独身。
電子書籍・イラストから作詞まで浅くユルく網羅し、特技は雨に濡れない体質である事。
作詞した「電源線隊セツデンジャー」、初音ミク公式楽曲「LOL -lots of laugh-」が大ヒット中。
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