オワコンとは「終わったコンテンツ」の略である。
近頃みんな「オワコン」って単語を使いたがる。現代の薄っぺらい消費社会とオワコンという言葉はベストマッチングなんだと思う。
そんなオワコン\(^o^)/オワコン\(^o^)/言ってる現代社会でも、レトロなフォルムや古いコンテンツはいまだに僕らのココロにグッとくるものがある。
1970年代はそんなオワコンという言葉とは無縁の素晴らしい文化を産み出した最高の年代だったと思う。
アップルやマイクロソフトが設立され、東急ハンズが出来たり、スーパー戦隊シリーズが始まる等、そのどれもが今もなお進化しているようなクリエイティブなコンテンツが次から次へと形成された。
アニメだとコンバトラーV、UFO戦士ダイアポロン、ろぼっ子ビートン、ライディーン、ゲッターロボ、タイムボカンシリーズ等、斬新で衝撃的なフォルムのメカデザインが登場。ろぼっ子ビートンの歌なんていまだに歌詞カードなしで歌える。
この時代、なによりも未来に対する明確な希望と理想があった。後期レトロフューチャーだ。
2000年なんて、ずっと先に思えたし、その頃には車は飛んでると確信していた。人々は透明なチューブの中で移動して、月には少なからず人が住んでいるような世界だ。
下手したら宇宙怪獣と光線銃で戦っているかもしれない。そんな漠然だけども明確に人々は壮大に広がる未来像を夢みていた。
ところが2011年になっても車にはタイヤがついているし、ピッチリした服は競泳の選手くらいしか着ないし、痔にもなる。
オワコンどころか、まだ始まってすらいないのだ。
それを踏まえて写真の室外機を観てみよう。
これは昭和50年代前半の三菱重工ビーバーエアコンの室外機である。
今の室外機にはない独自のフォルム。
それはまるで月に離着陸する小型カプセルのようだ。
シンプルでありながら、絶妙なシルエット。今では真似できないデザインである。
しかしこの室外機、劣化による焼損事故の恐れがあることからリコール対象になっている。
屋根の上で長い年月じっと未来を見据えていた旧型ビーバー室外機はオワコンかもしれないが、その存在感は決して終わっていない。
と、このコラム史上最もかっこよく〆てみた。
エンドケイプ profile
職業:モノカキ
日本を代表する室外機フェチで37歳独身。
電子書籍・イラストから作詞まで浅くユルく網羅し、特技は雨に濡れない体質である事。
作詞した初音ミク公式楽曲「LOL -lots of laugh-」が大ヒット中。
blog「エンドケイプほぼオンライン」
http://ameblo.jp/endcape01/
「室外機マニア」
http://www.sonzai.net/