誰しも夜、ベッドの中で眠りにつく前に突然、「なぜあの頃、あんなことをしてしまったのだろう」とお布団の中でその恥ずかしさに悶え苦しむことがけっこうあるのではないかと思います。
私自身はそのピークが高校を卒業した「悶々期」に顕著に表れて、なぜあの日あんな格好で街に出かけたのか、なぜあの時あの子にこんな言葉をかけてしまったのか、なぜあの時のショップ店員さんは私にこんなことを言ってきたのか!!! そんなにダサかったですか!?!?!? などという、いま考えると大半、いやほとんどすべてが「どうでもいい」ことなのですが。
黒歴史というのは掘り起こすとザックザック骨が出てきて、人間の思考回路をもう居ても立っても居られなくなる状態にしてしまいます。
ああああもうやめてくれ! と学生時代や最近(という名の当時)撮ったプリクラでさえ自分の顔に線を入れてみたり切り刻んだり火にくべて燃やしてみたりするのですが、一緒に撮った友達と半分こに分け合っていることを思い出し、きっとあの子は私の知らない友達とかにあのプリクラを配っているんだ...私の知らないところで、私のことを誰このブスって思ってるに違いない! いや、運良くブスとまで思われなくても何この変な女はって思われているに違いなぃぃぃ!!
そして一緒にプリクラを撮ったお友達に翌日メールで「ごめん、あのプリクラ破棄していただけませんか、もしくは私の写っている部分だけ切り抜くか、もしくはマジックで塗りつぶしておいてくれ」などという失礼極まりない要求を私はしていたのですが、おかげで今のところこういう職業にも関わらず、過去の変な写真の流出などはありません。最近、エゴサーチを全くしないので知らないだけかもしれないけど(あ、たびたび芸能人の子が炎上材料になる、いわゆる男の子とのプリクラとかは将来のことを考えて撮ったことすらないかも。団体はあると思うけど二人きりはないかも。私すごくないですか?)。
現在も私自身は「生きる黒歴史」と自覚しながら活動をしているのですが、夜中お布団の中で悶々とする黒歴史なんて可愛いもんです。
一時期、他人の目を気にしすぎて、深くニット帽をかぶりマスクをし、サングラスをかけないと電車にも乗れないし、街も出歩けなくなってしまったことがあります。
家の中でも「誰かが見ている気がする...」みたいな感じで全く落ち着かず、精神崩壊してしまうのではと(まぁ実際このあと崩壊した)、とにかく自意識過剰の塊だったし、自己肯定感もものすごーく低かったし、今なぜこういうお仕事をしているのかも謎なのですが、私自身のアーバンギャルドという活動がいつか誰かの「黒歴史」になってしまうのかなぁということを最近はよく考えてます。
先日、来年2018年4月8日に中野サンプラザでの10周年記念公演を行なうことを発表したのですが、そこでよく見かけたツイートは「アーバンギャルド懐かしいな、昔よく聴いてた」等のつぶやきです。
いや、私たちはまだまだ黒歴史を作り上げている真っ最中で自分たちは全く過去だなんて思ってないし、懐かしいならサンプラザおいでませという気持ちでいっぱい。本当に一時期アーバンを聴いていた人が総動員したら夢ではないキャパなんですよね。
黒歴史って、早々は消えないふかーい傷跡なので、「アーバンギャルド、昔よく聴いてたよ」って人はおそらくけっこう真っ黒に汚れてた歴史になっているはず。
もう諦めて一緒に過去を復習(復讐?)しませんか。
あ、私はまだ過去になんかなってませんからね。