NHKで放送している「100分 de 名著」という番組は、「ツァラトゥストラ」や「論語」など古今東西のさまざまな名著を取り上げた番組でよく見ているのだが、ちょうど12月は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を取り上げている。死を見つめながら常に希望を探していた賢治。彼の「みんなつながっている」「歌え、踊れ、そして笑え」というメッセージは、JAGATARAの故・江戸アケミの言葉と同様、3.11以降の絶望の中を生きるしかない私達にとってよりリアルに響いてくる。賢治の言葉はなによりもロックだ。
仙台の「POPTUNE」を主催する中村亮介と畠山智世が震災復興チャリティソングとして制作した本作品は、賢治作のあまりにも有名な歌『ほしめぐりの歌』をDr.Usui(MOTOCOMPO)がプロデュースし、森若香織、宍戸留美、chiho、野本かりあ、朝日美穂といった女性ボーカリスト達によって歌われている。今この時代に賢治の歌を歌うことの意味を考えさせられる作品だ。(加藤梅造)
回向プロジェクト / 星めぐりの歌
2012.01.06 MUSIC | CD