音を聴く前から気になっていたバンド"KUDANZ"から、3曲入りシングル『無神論』が届けられた。レーベルは、残響record。CDをプレイヤーに入れ、再生ボタンを押し、最初に思ったのは「これまでの残響アーティストと違う!」だった。残響と言えば...という勝手なイメージはもちろんあるが、変則的なコード進行でもなければ、突拍子もない展開をするわけでもない。── かと言って"シンプル"というひと言では片づけられないのだが ── このサウンドに、叙情的で独特の歌詞と、ササキゲンの真っ直ぐにのびる歌声が重なると、いっきに曲が華やかになる。それは、決して赤や黄色のような派手な色ではないが、深みのある色がじわじわと広がって行くようだった。1曲目『無神論』は、ボーカルとサウンドのコントラスト、ドラマティックな展開に注目して聴いてほしい。
正直なところ、この作品を聴いて私の気持ちが、夏の太陽のように明るく照らされることはなかった。しかし、そのもっと深いところで、琴線を揺すぶられたことは確かだ。この作品が多くの人に届きますように。(Rooftop:やまだともこ)
KUDANZ / 無神論
2011.09.08 MUSIC | CD