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六畳人間 / 2060

2011.06.27   MUSIC | CD

GURUGURU RECORD GGR-0002/2,100円(税込)/2011年8月3日発売

1. 4次元ボーイ
2. ようせいさん
3. サーフソング
4. 0人間
5. にらめっこ
6. クジャクの森
7. ぼくのうずまき
8. すえっこの逆襲
9. 空白と手をつなごう

今年初春、「2060レコ発」を予定していたものの、いろんな事情が重なり、結果「レコ発になるはずだったライブ」をやり遂げた六畳人間〈ろくじょうひとま〉。
それはmoools、ソコラノグループを迎えてのライブで、素晴らしく格好良かったし、結論、「2回レコ発が観られるから良いのでは」なんて言ってしまうのは他人事過ぎるでしょうか。

レコ発なのに物販に並ぶことが叶わなかったCDがようやく出来上がったと知り、チェック。そしてジャケットの変化に驚くこととなる。
「今までの六畳人間の感じ」を大幅に方向転換した、実験的なジャケットに仕上げたそうだ。
どんなにコアなファンでも、言われなかったらこれが六畳のCDだと気がつかないかもしれない。
今までの音源は、ゆっくりした単音からはじまるものが多かった。
『嘘の国』『夢の万祝』『テスラチルドレン』そして前作『インヤンツイステッド』すべてそうだったと言える。
今回は、それを覆してきた。
1曲目から「これから何かが起こります」という示唆、印象的で意味ありげなシンバル、喋るようなギターはさらにその個性を強め、気になって仕方がないように作られている。
踊らせ上手なバンドが提示してきた新しい音楽は、タイトルである『2060』をはじめ、歌詞ひとつとっても「それはどういう意味?」と問いたくなるものばかり。
言葉の意味は明確なはずなのに、並べた瞬間にどうとでもとれる歌詞。
そして「余計なことは訊いてくれるな、感じたまま踊れ」とでも言わんばかりの説得力を伴った、インパクトの強い曲多し。
不安になる直前まで腕をぐっと引っ張られるような、少し強引な印象のメロディもある。
捉え方は人の数だけあれど、彼らの音楽は、わかりやすくて楽しい。
「通向けで難しい」というわけでもないのが、彼らの大きな魅力のひとつでもある。
とっつきやすいのに癖がある、どんどん引きずり込まれてしまう。
気がつくと夢中になって聴いている。
先程も述べたが、彼らはいわゆる軽快な、踊りやすいロックンロールサウンドなども挟んでくる。しかし、そこで歌うのは「僕は、0人間、魂がない」。
なぞなぞの答えをさぐるような気持ちで、是非最後の曲まで一気に聴いて「音楽に夢中になる」というのを身体で感じて欲しい。(web Rooftop:石川 愛)

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