金沢と名古屋を拠点に活動する「モクメ」のセカンドアルバムが届けられた。Vo&BのマキコとGのヒョウヤンにサポートドラムを加えた3ピースバンドのモクメ(ちなみにバンド名は楳図かずおの傑作「ねがい」に出てくる木人形モクメからとられている)は、音楽的にはR&B、ガレージ、ロカビリーから歌謡曲等々かなり広範囲なスタイルを消化している。今作でもガレージパンク全快の『ベベ』に始まりモータウン風の『ミスタースモーキンメン』、超ブルージーな『わたしの窓』、アコースティックなネオロカ『わたしはリズム』など音楽好きには堪らない楽曲が並ぶ。またマキコの歌唱が抜群に上手い。歌詞をくっきりと浮かび上がらせるような存在感のある彼女の歌は、モップスやダウン・タウン・ブギウギ・バンドをも彷彿とさせる(M5『ブギ音頭』などはまさに『ええじゃないか』と『買物ブギ』を融合した作品)。これからどんどん大きくなっていく可能性を秘めたバンドだ。(加藤梅造)