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トップレビューCrush Tears / Crush Tears Ⅰ

Crush Tears / Crush Tears Ⅰ

2010.09.14   MUSIC | CD

DGBA-10002 3,150yen (tax in) / IN STORES NOW

現在の女性声優で王道にして極北である小林ゆうが「YU」名義(演技、没入、憑依でも可)で本格ロックを提供するのがCrush Tears。その1枚目のアルバムがこれ。声優がロックをやるのではなく、小林ゆうがロックと混ざっている。混沌であり有機的。大槻ケンヂが詞を提供した曲も、カルメン・マキの『私は風』のカバーも、杉田智和とのミニコントが挿入される楽曲も、すべては意味があるのだがその意味はわからなくてもいい。小林ゆうをよく知らない、という人。そもそも声優のCDを聴いたことのない人も是非聴いて…、いや感じてほしい。パンクもニューウェイブもハードロックもプログレも、どんどん取り込んで「自分のもの」にしてしまう小林ゆうを「戸川純に匹敵する」と言った大槻ケンヂの言葉は正しい。そして小林ゆうの無意識過剰さは、彼女が小林旭の女体化であるという仮説を強く裏付けるものとなるのだ。ロフトで原爆オナニーズや非常階段とCrush Tearsが共演する近未来を強く希望する。これは冗談ではない。(鶴岡法斎)

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