数ヶ月前Crush TearsのYuとして我々の前に現れた声優、小林ゆうがふたたび降臨。THE YELLOW MONKEYの「LOVE LOVE SHOW」と電気グルーヴの「Shangri-La」という20世紀末を象徴するような2曲をカバーしたシングルを引っさげてきた。前回以上にパワーアップしたCrush TearsとYU、さらに小林ゆうという存在。声優という枠組みに収まらずに、常に表現者で在り続ける彼女の内面に迫る、インタビューの第二回戦がついに始まった!(取材・文:鶴岡法斎)
──音源を聴かせていただいたんですけれども、今回の収録曲はどちらもカバーなんですね。
小林 そうなんです。今回はシングルで両A面ということで、2曲カバーをさせていただいております。どちらも私の大好きな曲でして、THE YELLOW MONKEYさんの「LOVE LOVE SHOW」は今でもお仕事前や移動の時などによく聴いています。そこからパワーを貰っているような、それだけ自分の内面に入り込んでいる曲です。電気グルーヴさんの「Shangri-La」は今までのロック色を前面に出したCrush Tearsからするとちょっと意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はダンスを昔からやっていたのでこういうテクノっぽい曲も大好きなんです。どちらも昔から自分がずっと聴いていたものです。こういう大好きな曲をカバーという形で歌わせていただけて、非常に感謝しています。
──どちらの曲もかなり独自の解釈というか、YUさんなりの歌い方で臨まれていますね。
小林 自分では特に意識しているということではないのですけれど、レコーディングをさせていただいているなかで、自然に歌わせていただいているうちに、あのような形になってしまいました。
──「Shangri-La」ではラップにも初挑戦していますね。
小林 はい、そうなんです。最初は自分でもどうなるのかな、と思っていたんですが、歌っているうちにあのような激しい感じのものになりました。
──そのShangri-LaはYUさんと小林ゆうさんのデュエットと考えてよろしいんですか?
小林 はい(笑)。ラップの方はYUとしての男性的なボーカルで、メロディーの部分は女性的なボーカルで、吐息が伝わってくるような歌い方をさせていただきまして、ムードのある感じにしました。
──今回、ジャケットや衣装のイメージもかなり変わっていますね。
小林 細かいところまで見ていただいてありがとうございます! このシングルではCDのジャケットも大幅にイメージを変えてみまして、前回までのCrush Tearsはお衣装がモノトーンを基調としていたのですけれど、ビジュアル系のなかでもそれとは別に、蛍光色や原色などのポップな色合いを基調としたものがございまして、今回はそちらの方向でやってみようということになりました。ジャケット背景のハートマークも黄色とピンクの派手なものになっていまして、パーティーチューンではないですけれど、みんなで盛り上がって楽しい気分になっていただけるとありがたいと思っています。前作までとはイメージがかなり違うかもしれませんが、どちらが表現しているものも私は大好きです。両面性というか、いろいろな方向を見守っていただければ嬉しいです。
──小林ゆうさんはCrush Tearsとしてでなくアニメのお仕事でもカバーをされてますね。カバー曲を歌われるときは、どういうお気持ちで接しているんですか?
小林 アニメのお仕事でカバーをやらせていただくときは、最初にその曲を聴かせていただいて、自分が演じている役のキャラクターならここまでやるんじゃないかな、とか、こういう表現をするかもしれない、などキャラクター目線で色々考えてやらせていただいています。
──じゃあアニメでカバー曲をやられるときは、軸として演じているキャクターの存在があるんですね。
小林 はい、そうなんです。
──19日にはライブもひかえていますね。
小林 はい。シングルが12月15日発売でして、その数日後の12月19日にCrush Tearsのライブが五反田のゆうぽうとホールさんで行われます。そこでは、自分の持てるものを全部出してライブに臨んでいければと思っています。日にちはちょっと早いのですがクリスマスも近いということで、クリスマス的な演出も盛りこもうと思っています。ゲストに田村直美さんもいらしてくださります。全力で頑張りますので、みなさんに楽しんで頂ければ幸いです。
──前のインタビューでもおっしゃっていましたけど、The WhoやQUEENなどのグループがお好きじゃないですか。どちらもロックオペラ的なものを目指していたグループで、そういった部分はYUさんの活動に影響を与えていますか?
小林 はい、そうなんです。Crush Tearsは音楽という枠組みだけでなく、全体的なエンターテイメントとしてみなさんにいろいろな感情、気持ちを伝えていきたいです。Crush TearsのYUとして、そして声優の小林ゆうとして持っているものを全部出して、完全燃焼する意気込みです。そしてこれからも、みなさんからの応援のお声がある限りずっと続けていくつもりです。パフォーマンスなども含めて、音楽を聴くというだけでなく、みなさんに「見て聴いて感じて」いただける、そんなグループになっていければいいと思っています。