「愛」そのものなのか? それが最初に聴いた時の感想だった。圧倒的ライブアクトで魅せるFUNKISTの2nd ALBUM『FUNKIST CUP』。
ライブのOPENINGで演奏されてきた『Traveling』でアルバムは幕を開ける。染谷の力強さとぬくもりを持った声のアカペララップを合図に鳴り始める音楽は、細胞へ直球で飛び込んでくる。もうそこはFUNKISTの世界そのものだ。結成10年分の全てが詰まっていて、ある意味ベストアルバムだとメンバーが語る通り、数々のライブや2度にわたる南アフリカツアー、そこで産まれた多くの人々との出会いで、前作を遙かに凌駕するほど、FUNKISTを構成する全てのものが技術的にも精神的にも磨き上げられたことが感じられる。
収められた14曲では、友達へ、親へ、恋人へと様々な形での「愛」が表現されている。ずっと不思議だった、FUNKISTが発する多幸感。何度もこのアルバムを聴いて、辿り着いた答え。彼らの音楽には「闇」が存在しないのだ、と書いてしまえば、嘘臭いと思う人も居るだろう。違う。彼らは「光」があれば「影」もあることを十分に理解しているように思うのだ。だからこそ、その「影」を「闇」にしないために、全てを受け入れて前に進もうとする。盲目的に子供を信じる親ではなく、大切な子供だからこそ、その全てを受け入れようとする親の「愛」のように。
どこまでも進化し続けるFUNKISTの掛け値なしのHAPPYを難しく考えず、全身で受けてとめてみれば、どこまでも広がる大地や空を感じられるはず。笑顔とともに。(Naked LOFT:しまだかずよ)