あなたのことを気にかけてくれる人を、大切に。
2019年本屋大賞「そして、バトンは渡された」はすでに多くの方が読んだり、少なくとも書店で目にとめたことがあるはず。(深緑のカバーに映えるオレンジ色が印象的)その著者である瀬尾まいこさんの受賞後第一作とした作品が今回紹介をする「夜明けのすべて」。
月経前症候群に悩む美紗と同じ職場で働く山添君(パニック障害)との物語。本作品は“自分だけが大変な思いをしている”だとか”自分だけが今、辛いんだ”と思い、周りに当たってしまう人に薦めたい。もちろん、大変だし、辛いと思う。それは当人にしかわからないから。だけど、一度立ち止まって。大きく深呼吸。大変さも辛さも人それぞれ。違う人間だからこそ、相手や自分のマイナスを補うことができるのではないか? そうに改めて思える一冊。
人生そんな上手くいかないけど、心は柔らかく生きていきたい。隣の人へそっと手を差し伸べられるように。(LOFT9Shibuya:おくはらしおり)