株式会社文藝春秋は、 『そして、 バトンは渡された』で2019年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの受賞後第一作『夜明けのすべて』を発売。 ご自身のパニック障害の経験をモチーフにしながら、 瀬尾さんらしい温かさとユーモアに満ちた、 全ての読者の暗闇に光が差し込むような物語。
「知ってる? 夜明けの直前が、 一番暗いって。 」職場の人たちの理解に助けられながらも、 月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、 やる気がないように見える、 転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。 山添君は、 パニック障害になり、 生きがいも気力も失っていた。 互いに友情も恋も感じていないけれど、 おせっかい者同士の二人は、 自分の病気は治せなくても、 相手を助けることはできるのではないかと思うようになる――。
生きるのが少し楽になる、 心に優しい物語。 本屋大賞受賞後第一作。 水鈴社創立初の単行本、 渾身の書き下ろし。
『夜明けのすべて』刊行にあたって 瀬尾まいこ コメント
人生は想像より厳しくて、 暗闇はそこら中に転がっていて、 するりと舞い込んできたりします。 でも、 夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、 そこら中にきっとあるはずだと思いたいです。いつも本が完成して思うことは、 「楽しく読んでもらえることが一番だ」です。 その思いは今回も変わりませんが、 『夜明けのすべて』を読んでくださった方が、 ほっとできる一瞬を味わってくださるのなら、 明日を待ち遠しいと思っていただけるなら、 幸いです。