みんなで作る「みんが屋」の未来に幸あれ
YouTubeチャンネルのコンテンツ「みんなのかが屋」
マセキ芸能社所属、加賀翔と賀屋壮也からなるコント師・かが屋。出演する事務所ライブや単独ライブのチケットは即完売する、いわゆる第7世代の若手芸人だ。お笑い好きの間では絶大な人気を誇るといっても過言ではないだろう。
そんな彼らは公式YouTubeチャンネルで「みんなのかが屋」(以降、略称の「みんが屋」と表記)というコンテンツを持っている。
「みんが屋」は生配信中に視聴者からコントの設定などのアイデアをチャット欄に書き込んでもらい、それらを基に制限時間15分でコント1本を作成、最後にかが屋が完成したコントを実演する番組だ。発足したきっかけは、漫画『バクマン。』の登場人物・七峰透の「インターネットで募った50人にアイデアを出してもらって漫画を作る」手法に加賀が感銘を受けたことだそう。
通常のお笑いライブでは、観客が芸人から一方的に笑いを提供される図式になる。一方、「みんが屋」が打ち出したのは、視聴者が芸人のネタの創作に加担できる図式だ。コントを実演するまでの過程をリアルタイムで見届けるワクワク感もある。地方在住者も参加できる。もちろん、自分のアイデアが採用されたら嬉しい。
「みんが屋」は笑いという癒しだけではなく、かが屋と笑いを共創する楽しさ、遠くにいてもできる笑いの共有体験を届けてくれる。
私が一番印象に残っているコントは#3で披露した『電車男』。1000人超の視聴者が集うチャット欄を2ちゃんねるの掲示板に模して、リアルタイムで投稿されたコメントをコントに活かすアイデアは「みんが屋」の図式ならではだ。
初めは会議室から無料の生配信をしていただけだったが、劇場でのライブ形式でおこなわれた生配信、HAB北陸朝日放送でのテレビ特番「みんなのかが屋@石川県」の制作…とその後の展開もめざましい。
また、オリジナルグッズの販売もおこなっている。推しへの課金はファンの喜びでもあり、金の生(な)るコンテンツにちゃんと成長している。
みんなで作る「みんが屋」の未来に幸あれ。
TEXT:星野珠青