まさしく『倒れるまで遊び尽くす』をモットーに若者たちが生きている。
地方のパッとしない高校でパッとしない学生生活を送った反動で、人生において何に対しても"やりきりたい"という気持ちが人一倍強いと感じる事が多々ある。
「愛の新世界」(1994年公開)は、鈴木砂羽氏の主演デビュー作であり、日本映画初のヘアヌード作品。SMクラブの女王様として働きつつ、劇団の看板女優として舞台に立つ女性と玉の輿に乗ることを夢見るホテトル嬢の青春映画だ。クラブでナンパしてきた男を振り切って、25年以上前の知ってるけど知らない渋谷を全力ダッシュするシーンなんて最高!萩原流行氏が演じるヤクザを調教するSMシーンも痛快!哀川翔氏がサングラスをバリバリ食うシーンはもう意味わかんない!要所要所に出てくるアラーキー氏が撮った写真が女王様の時でも看板女優の時でも無く、素の鈴木砂羽氏そのものに見えるのが違和感なく、寧ろしっくりくる。
ちょっと前に週三で遊ぶ親友と、後ろの道が落ちてなくなっていって自分も落ちないようにただ走り続けるゲームみたいに、前だけ見て昔の記憶が抜け落ちちゃうくらい今を楽しめたらいいね、という話をした。まさに、この映画の中に出てくる人はそんな生活をしている。意味がありそうでなさそうなのにやっぱり意味あるかも!まあ毎日楽しいし、何でもいっか~みたいな暮らし方。このご時世、自分の意見を持って毎日何かと戦わなきゃいけないわけだけど、たまにはこんな日々を送ってもいいなって思える。何でもいっか~とは言いつつ、その何でもいいことを全員が全力でやりきっているから観終わった後、凄くスッキリする。深夜に始めて終わる頃ちょうど空が明るくなってくる時間に観るとエンディングの山崎ハコ氏の声が最高に沁みるのでオススメ。渋谷、爆走しましょう。