「終活は青春だ」70歳、まさかの初子育て! 死ぬまで生きてたい
70代夫婦が奇跡的に子を授かる物語。出産編『セブンティウイザン』に続き幼稚園児となった子・みらいの成長の日々を描いたのが本作だ。ありえない! と言いたい設定だが、支え合う夫婦の関係や終活はリアルそのもの。年ゆえの特別なことといえば、早く目が覚めるせいでお弁当作りが捗ってしまうことや、少し体力に自信がないことくらい。普通の家庭同様子の可愛さに笑い、悲しい時は抱き合って泣く。そんな日常に、夫への癌宣告が影を落とし……。読めばまず、みらいの命の輝きに笑みがこぼれるが、本作の魅力は老夫婦が「死ぬまでどう生きようか」を考え直す点にある。みらいの命を大事にすることが、自分の命を大切にすることとイコールだと気付くのだ。「悔いなく生きてるから明日死んでもいい!」が口癖の私に、この漫画は新しい価値観をくれた。自分の養生を二の次にして全てを捧げている推しがいる人にも読んでほしい。死んだら推しにも貢げないのだ。(阿佐ヶ谷ロフトA:中茎礼菜)