映画秘宝の復活までに、果たして我々になにができるのか?
筆者が映画イベントを入れ始めた動機は、映画秘宝の記事「映画業界双六」の上がりの最高が「カンヌでプレミア」、最低が「ロフトプラスワンでトークイベント」だった衝撃からかもしれない…。様々なイベントを催したが、タランティーノのプラスワン登壇は一つの達成点だろう。映画館以外の会場で映画について語らう形式はお馴染みになり、今では日本中で映画トークイベントが行なわれている。本当に喜ばしいことだ。どのイベントも秘宝のように「こんなに面白い映画がある。だからもっと見てほしい」気持ちに満ちている。映像鑑賞の選択肢が増えた今、ますます単なる口コミの多数決ではない秘宝的な指標が必要だ。そんな中の秘宝休刊は残念なことだが、誰かのネット上の喧嘩や人気シリーズの終焉と紐付け「一時代の終わり」とショげてる場合ではない。秘宝が目覚めるその時まで、秘宝の理念は我々一人一人に委ねられた。戦いはこれからが本番なのだ。(多田遠志)