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「ラフィキ:ふたりの夢」- ケニアのカラフルなポップカルチャーとダークな社会事情を切り取った話題作

2019.11.08   CULTURE | CD

11月9日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

ケニアのカラフルなポップカルチャーとダークな社会事情を切り取った話題作

 
 2018年のカンヌ国際映画祭で世界から注目を集めた本作『ラフィキ』は、本国ケニアでは上映が禁止されていた。それはケニアをはじめとするアフリカの多くの国で同性愛が違法とされているからだ。スワヒリ語で「友達」を意味する「ラフィキ」は、ケニアの同性愛者がパートナーを紹介する時に使う言葉だという。物語は首都ナイロビの下町。看護師を夢見る主人公のケナは、政治家である父の対立候補の娘であり、ダンスが得意なジキとあるトラブルをきっかけに仲良くなり、やがてそれは淡い恋に変わる。しかし社会の偏見と法律という現実は、少女たちのイノセントな思いを踏みにじり、厳しい選択を迫るのだ。「ふたりの若い女性の恋愛についての映画を作るということは、東アフリカにおける同性愛、ひいてはより大きな人権問題に立ち向かうこと」という監督の言葉通り、この映画をきっかけに自由と権利についての議論が進むことを願いたい。(加藤梅造)
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