今月は2冊の末井昭本を手に入れた。少ない指定文字数の中、一挙に2冊の本の書評をやろうなんてちょっと大胆すぎるんではないかと言われそうだが、私の場合、これは書評でなくて出版された本の「紹介記事」なんだと我が社編集部を納得させている。

　「結婚」なんだ！ 帯には読んだら結婚したくなるなんて載っている。「ダイナマイト人生」では人生の辛酸を舐めつくした著者が、当事者目線でおくる新感覚人生相談本と書いてあるし、頭痛、心労に聞くコトバ。だと（笑） 私は素敵な末井昭を知っているが、幼い頃母親が隣の青年とダイナマイト自殺した原体験がこの2冊の本の根底をなしているんだと思う。まさに末井さんは人生の迷子を自認する。もう私は末井さんの本が大好きだ。読みやすいし偉そうでないし、素直さと愛の精神でいっぱいの何をやらしても天才だ。この本を読んでいたら末井さんのジャズバンドのサックスを聴きたくなった。（平野悠）