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トップレビュードキュメンタリーは格闘技である / 原一男

ドキュメンタリーは格闘技である / 原一男

2016.03.02   CULTURE | BOOK

筑摩書房 / 2,376yen

 自身の主宰する映画講座『CINEMA塾』での対談の中から選りすぐりをまとめた一冊。深作欣二、今村昌平、大島渚、新藤兼人と錚々たる顔ぶれが揃う。代表作の裏話やそれぞれにとってのドキュメンタリー論、リアルとフィクションの境界線の違いなど専門的な話のなかで『監督は女優とセックスするべきか否か』や『水戸出身の人間は論理性がない』等と脱線し過ぎない会話が良いアクセントになっている。「自分より一つでも年上の人間は許さない。テメエら全部いなくなれ!時代をつくるっていうのはそういうこと。」などシビれる名言を残しているのはやはり大島渚。「キャメラの加害者性」を認めつつも、サングラスを外さない傷痍軍人に眼球の失った目を晒させるべく宴会を仕込んで酒を飲ませ、目のない目から溢れる涙を「アップで撮れ!」と声を上げる。確信犯である。唯一、フィルモグラフィーが劇映画のみであり、作風もバイオレンスに振り切れている深作欣二が一番理性的だったという部分からもドキュメンタリー映画の本質的な凶暴性、攻撃性が浮かんでくる。(NAKED LOFT / 齋藤 航)

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