ドキュメンタリー映画のある到達点とも言える名作が復刻。原一男監督は、子供までもうけた元・同棲相手が急に沖縄に移住を決めたことから繋がりが失われるのではと心配し、映画の題材とすることによって関係を繋ごうとする。女同士の要領を得ない痴話喧嘩から始まり、生命力溢れる1970年代初頭の沖縄の風土、今カノによる元カノインタビュー、唐突なハメ撮り、白木みのるクリソツな熊本出身のホステス、そして恐らく今後一生目にすることはないであろう自宅自力(!)出産シーンなどヒリつくような名場面に圧倒される。主体である"アティテュードのある女"武田美由紀の生き様はタフで美しく、画面には殆ど出てこない原監督の心情が全編通してハッキリ伝わってくるのが素晴らしい。性と生、エネルギーの塊のような作品。映像特典の原監督×能町みね子対談の全貌は1/6ネイキッドロフトにて。(齋藤航)