タイトルに惹かれた一冊。ジャズミュージシャンの菊池成孔さんの連載されていた社会時評エッセイを文庫化した作品。2007年から2010年までに起こった当時の時事ネタを事件の要約や後日談などでわかりやすく思い出す。話は大きく分けて四部の構成になっており、そのタイトルもまたユニークで『本当のオトナは幼児プレイをしなくちゃ』や『パソコンにマスクをつける日』などである。更に文庫化に際しあとがきがなんと25ページとこれもまた読みがいのある内容で、今ではもう身近となっているSNSについて書いてあり、その中に書いてある表現で言うならば「肥満体のまま栄養失調を起こしている幼児」に私も該当している。作者の時事ネタに対しての意見が痛烈ながらも面白く読め、これからのニュースに対しての見方を変えてみようと考えさせられる作品。私と同じように時事ネタがあまり得意ではないという方は共感できるのではないだろうか。(阿佐ヶ谷ロフトA:小関佑介)