「ラブレター」と、Wikipediaで検索してみる。「恋文」「アルフィーのシングル」等々30近くの関連項目が並ぶが、「カードゲーム」のラブレターを知っている人はどれくらいいるのだろうか。『ラブレター』は、日本人ゲーム作家のカナイセイジが2012年に発表し、アナログゲーム界に旋風を巻き起こしたドラマチックかつシンプルなゲームである。近年、日本でもやっとじわじわとアナログゲーム流行の波が大きくなってきているが、その一端を担うと言っても過言ではないのが、漫画『放課後さいころ倶楽部』。ゲーム作家を目指す勝ち気なミドリ、みんなでわいわい笑い合うのが大好きなアヤ、ちょっぴり引っ込み思案なミキと、可愛い女子高生3人娘が京都を舞台に遊びながら成長する爽やかなストーリーの漫画だ。最新刊4巻ではアヤとミキにラブレターを渡したい男子2人も登場し、どんどんゲームの幅が広がっていく。作者の中道裕大さんの一番好きなゲーム『カルカソンヌ』はルールがややこしいため漫画にしにくい…という理由でまだ作中には描かれていないが、どれもこれも漫画を読むと遊んでみたくなるものばかりだ。この冬は漫画とゲーム、どちらも楽しんでみてはどうだろうか。(足立結香/阿佐ヶ谷ロフトA)