「多くの人は対極にいると見ている〜ではなぜ二人に共通点が生まれているのか? それは安倍晋三の政策があまりに悪いからである」と元外務省の孫崎さんが前書きで書いているが、私は、新右翼団体「一水会」顧問の鈴木邦男さんを「平和主義者でコスモポリタンな思想家」だと思っている。だから対極にいるのではなく、孫崎さんとはあらゆる政治的問題で意見が合う部分が多いはずだ。戦前『「国を護るために戦争をやるべし」とマスコミも国民も叫び、その熱狂・興奮が政治家や軍人たちの背中を押した。「冷静な愛国心」は、興奮した「狂気の愛国心」の前には無力だったのだ』(後書きより)と、鈴木邦男さんは孫崎さんにその不安をぶつけている。いままでの自分の思い込みが完全に壊れる瞬間を鈴木さんは充分に感じているのだと思った。我々も自分の歴史に対する思い込みを再点検する必要がありそうだ。「歴史を学ぶとは再び同じ過ちを繰り返さない為の学問である」とは、私たちに向かって言っているのだ。(平野悠)