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家族喰い――尼崎連続変死事件の真相/小野一光

2013.12.03   CULTURE | BOOK

太田出版 / 1,785 yen

 入り組んだ事件を尼崎に絞り取材し、よくまとめた。見た事ない写真が多く(「暴力装置」李のガタイを実感)、飲食店に通い人の縁から重かった口を開かせていく手腕が見事。余りにおぞましく関東は段々報道減ったので言い切れないが、覚醒剤とパチンコ(専門スレで「あいつらだった!」と騒がれてるの一瞬見たが)の話は表立って報道されなかった筈。NHKドラマで初見だった場面も多く情報はしっかりしてるのでは(本書内で旧知の記者がよく情報くれるのは関東では載せる媒体なくなったからか)。美代子母実家写真の崩壊ぶりが本当にヤバく、可愛い猫写真挟んでもどんより。美代子の最後読書は野村沙知代…被害者(加害者でもある)人々が好む音楽も、マイラバ、TUBE、アリス、コブクロ等々でそのライブ行って足がつき引き戻され…と、(語弊あるが)厭になるほど「普通」。そんな人々がこんな恐怖の淵に引きずり込まれ加害被害スレスレの淵に落とし込まれたのが改めて冷たくぞーっとさせられる。(尾崎未央)

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