アラフォーの男たちが心霊スポットに突撃、不謹慎なことをして怪異現象を目撃/撮影しようとする本シリーズもついに6冊め。現地で仲間割れしたりビビったりとてんやわんやの騒動を繰り広げ爆笑を誘うのがいつものパターンだが今回はちと趣が違う。なんとガチ怖成分の方が勝っているのだ。今までは「何て不謹慎で無謀なことをするのだ」という意味でゾッとしていたところが本書では本当に歯の根が合わなくなるような思いをした。特に後半に収められた44編にも及ぶ大長編「怪奇要塞マンション」が写真も含めてマジ怖ぇ...夜独りで読めないくらい。「殴り込みシリーズなのに恐いなんて!」と嬉しい悲鳴を上げたい気分。でも要所要所腹がよじれる箇所もあるのでそこは安心のブランド。ともかく面白い! 装丁造本も気合、ヒロモト森一のイラストも特にパワフルだ。黒地に黒い文字でタイトル印刷してある頁はダール・グレン?! 読後にはぜひ表紙も剥いて見ることをオススメします。(尾崎未央)