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原発社会からの離脱 宮台真司+飯田哲也

2011.07.06   CULTURE | BOOK

講談社 / 798yen

 飯田哲也氏は日本における自然エネルギー研究の先駆者として以前から知られていた人だが、福島原発事故以降は、原発問題を最も的確に指摘する論者として日本一多忙な人になってしまった。毎日多数の講演会やメディア出演をこなしながらも、飯田氏は「メディアは今の状況をネタとして消費しているだけではないのか」との疑問を感じていた。今回の大事故は今なお収束の見通しはなく、不安定な状況は数年・数十年続くことは間違いない。今やるべきことは、メディアの加熱報道に振り回されることなく、冷静な分析と今後の方針を考えることだ。本書は対談本であるが、役割として宮台真司氏が聞き手に回り、飯田氏の経験と思想をベースにエネルギー政策の現状と未来が語られている。「原発は安全・安心・クリーン」という神話が崩れ、脱原発が国民にとって最もポピュラーな関心事になった今、本書が提示するメソッドは非常に有効である。(加藤梅造)

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