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文藝春秋 2011年 03月号

2011.03.09   CULTURE | BOOK

文藝春秋 / 860yen

 毎年冬と夏に日本の文学界の最高峰、芥川賞・直木賞が決まる。今年は両賞で合計4人の受賞者が決まった。この時期、私は両賞が掲載されている「文藝春秋」と「オール讀物」を必ず買ってしまう。しかし最近はほとんど面白くない。芥川賞の西村賢太著「苦役列車」は食欲と性欲しか興味の無いフリーターの男の話。多分自分の実体験談なのだろうがリアリティがない。選ぶ文学者の先生もギリギリホームレス寸前の状況なんて解っていないから、中途半端な作品に賞をあげたのだろうか? もう一つの芥川賞、朝吹真理子著「きことわ」は途中でぶん投げた。直木賞(木内昇著「漂砂のうたう」と道尾秀介著「月と蟹」)は2編とも抄なので、読む気がまだおきない。とんと文学なんて興味の無い若者にはどうでもいいことだが、芥川賞と直木賞は昭和10年に創設されたものだ。石原慎太郎なんてのがいまだに選考委員にいるせいか、時代遅れの感も否めない。(平野悠)

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