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妻と最期の十日間 / 桃井和馬

2011.01.11   CULTURE | BOOK

桃井和馬
集英社新書 / 740yen

 一昨年、私はピースボートに乗船し世界一周の旅をしていた。旅中、ピースボートの船内イベントの一つとして世界に名だたるフォートジャーナリストの桃井和馬の講演があった。その前に講演のフライヤーが配られ、そこに「愛する人の「死」は家族をこんなにも混乱させる」という文が書かれていて、興味を引かれてその講演に臨んだ。桃井氏は最愛の妻をくも膜下出血で失うのだが、その死の瞬間までを記録することで過酷な現実と向き合ったのだ。講演は素晴らしかった。感動した。私は講演終了後、彼に挨拶に行き「大切な奥様を亡くされたんですね。この文章感動しました」と言った。それから私は彼と友達になった。ピースボートで彼の去った後のハーレムを私が引き継ぎ、小さな恋もした。とにかく読んで欲しい。740円は君にも手が出る。つまらなかったら私が返金しても良いくらい面白い、と言うよりも感動的だ。桃井和馬は奇才・映画監督・園子温に似ていると思った。(平野 悠)

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