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トップレポート新山詩織デビュー10周年公演、大盛況で終了! 来春サブスク解禁&アニバーサリー企画盤発表!

新山詩織デビュー10周年公演、大盛況で終了! 来春サブスク解禁&アニバーサリー企画盤発表!

2022.12.29

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今年2022年12月12日にデビュー10周年を迎えたシンガーソングライター新山詩織。作品をコンスタントにリリース、並行して数多くのライブ活動やイベント出演を展開し、着実にキャリアを積み重ねていった彼女。しかし2018年、突如アーティスト活動を休止。「音楽とは異なる新たな夢にチャレンジしてみたい」という決断だった。そして昨年、約3年に及ぶその旅を終え、音楽シーンに復帰。活動休止中には音楽から離れ、福祉系の専門学校に通っていたという彼女。自らの人生と誠実に向き合い、常に挑み続けてきた彼女の10年は、凡庸な生き方では決して体験できない濃密な時間だったに違いない。
そうして辿り着いたデビュー10周年記念ライブは、これまでの人生経験により導き出した答えを示すかのような、終始「自分らしくいること」を貫いた潔いステージだった。
 
ライブ本編前に同じ会場で行われた初のオフィシャルファンクラブイベントのアットホームな空気がそのまま残る中、開演前の場内には恒例となった新山選曲のBGMが流れていた。この日は、ニール・ヤング、The Jam、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT他、男性縛りの選曲になっていた(新山自身のツイッターで全曲リストを公開)。ステージ後方の巨大スクリーンには黒地に白文字で、「My Roots」と直筆で記されたライブロゴが掲げられている。それ以外は目立ったオブジェなどは置かれず、楽器だけが並べられたシンプルなステージセットだ。定刻を迎え、場内が暗転。スクリーンが灯り、学生時代に自己表現が上手くできず思い苦しんでいた頃、心の拠り所としていたギターと歌のこと。そこからデビューに至った経緯を振り返った映像が、新山の語りと共に映し出された。そして静寂の中、中央に立つ新山にスポットライトが当たり、アコギの弾き語りにより「Don't Cry」の一声から1曲目がスタート。今この瞬間、自分の中に沸る情熱をぶつけるかのような剥き出しの歌声が満場のホールに放たれた。まさにアーティスト・新山詩織の存在証明のような幕開けだ。2曲目のイントロで「今日は集まっていただきありがとうございます。最後まで楽しんでいきましょう!」と笑顔で挨拶すると、1stアルバムからのナンバー『「大丈夫」だって』をドロップ。軽快なサウンドにバッチリ揃った客席一面のクラップも心弾んで聴こえる。
 

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「初の神田明神ホールでのライブ。今日はバンドセットでのライブということで楽しみにしていました。皆さんに会えるのもすごく嬉しいです。本当に本当にありがとうございます。今日は10周年を記念したライブということで、新旧問わずの選曲になっているので、色々思い出しながら最後まで楽しんでもらえたらなと思います」
 
1st MCの後は2ndアルバムから2曲、ライブでは久々の演奏となった「好きなのに」、ファンや家族や友人の存在によって自分を肯定できるようになった20歳前夜の思いが綴られた「Hello」を披露。「Hello」のエンディングでは新山のリードによって会場全体が頭上で腕を左右に振り一体感を高めていった。続いて、ドラム・上原俊亮(同じくこのライブに参加しているベース森光奏太と『dawgss(ドーグス)』というデュオで先日デビュー)のカウントを合図に青空を想起させる鮮やかな照明に切り替わって、最新アルバム『I'm Here』収録曲の「New」へ。シンプルなリフをベースに、キャッチーな歌メロが駆け抜けていく快活なバンドサウンドが心地良い。彼女の新たな心の芽生えを感じられる特別な一曲に対して、エールさながらオーディエンスが鳴らす手拍子も一層大きく響き渡っていた。
大いに盛り上がった後は一転、ピアノ・和久井沙良(先日ソロアルバムを発表)と2人だけのアコースティックコーナーへ。まずは復帰後最初に発表された「Smile for you」を和久井の伴奏に乗って丁寧に歌い上げた。さらにジャジーで芳醇なピアノソロを挟み、新山と和久井で届けられたのはYUIのカバー「It's happy line」。この夏アコースティックライブツアーで全国を一緒に回った二人は、細かい感情の起伏までぴったり寄り添わせながら、リリカルな世界を見事に描いていった。もう一曲、他のバンドメンバーも加わり披露したカバーはThe Birthdayの「涙がこぼれそう」。愛用のテレキャスターを掻き鳴らしながら実に楽しそうに歌う新山は、最も素に近い彼女本来の姿なのかもしれない。
 

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「YUIさんとThe Birthdayは私にとってのヒーローというか、本当にMy Rootsで。中学時代、高校時代からずっと聴き続けてきた方達です。本当に本当に心から尊敬している、大好きな人たちの曲をここで皆さんに聴いていただけてすごく幸せでした。
そして、次のオリジナル曲はライブではもう何度も歌ってきたお馴染みの曲。今日この場で皆さんに届けられたらと思います」
 
そう語り、デビュー曲よりも前に歌詞を書いたという思い入れの深い曲「Looking to the sky」を熱唱。新山の歌に呼応し合うイシイトモキのエモーショナルなギターソロも聴き所となった。
その後ライブ中盤は復帰後に発表された3曲を配置。盟友・山崎あおいとのコラボ作「Free」では持ち前の透明感と温かみ溢れる歌声を響かせ、自身にとっての究極のラブソングという「ミルクティー」ではこの曲が生まれた礎にもなっているファンに向けて優しく語りかけるように歌い、そしてコロナ禍に誕生したという「Do you love me?」では客席との心の距離をより一層縮めたハートフルな時間を紡いでいった。
終盤は、未来への決意表明とも取れる映像に続いて、10年前の今日発表したアーティストデビュー曲「だからさ」を、あの頃よりも逞しくなった歌声で堂々と歌い上げた。さらに「帰り道」「絶対」と、運命が動き出す瞬間の生々しい感情をぶつけた2曲を熱く届け、ラストはロックナンバー「Everybody say yeah」を披露。ここまでじっくり聴かせる楽曲が多かったが、最後は「行けますか? もっと行けますか?」と激しくアジテートするなど一気にロックモードに転換。この日のクライマックスを迎え、盛大に本編の幕を閉じた。
 

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高揚感が立ち込めるフロアにすぐさま起こったアンコールのクラップに応え、1人でステージに戻ってきた新山。はにかんだ笑顔は十代の頃と変わらない愛らしさがあり、ふとした仕草にも飾らない彼女らしさが溢れている。
深々とお辞儀をして改めて感謝の想いを伝え、そして来春にサブスク解禁と、アニバーサリー企画盤をリリースすることを発表。アニバーサリー企画盤収録予定の新録のうち数曲をベースの森光奏太がアレンジを担当、今回のバンドメンバーがレコーディングに参加したことを告げると、客席から喜びの拍手が湧き上がった。
 
「感謝しきれないくらいの『ありがとう』が、今私の中に溢れています。4月にメジャーデビュー日が控えていますが、そこに繋げられるように最後はデビュー曲で終わりたいと思います」
 
自身のルーツをテーマにしたセットリストを締めくくったのは、ライブのラストソングとして定番化しつつあるメジャーデビュー曲「ゆれるユレル」。多くを語らずとも、10周年を迎えた万感の想いは、バンドと渾然一体となった気迫溢れる歌声から十分伝わってきた。アニバーサリーだからといって豪華な演出を施すこともなく、感慨を述べる特別なMCが用意されているわけでもなく、ただただシンプルに歌と演奏で「ありのままの今」を届ける、そんな彼女らしい節目のライブはこうして幕を閉じた。
復帰から来年4月で丸2年。音楽以外の社会勉強も重ね成長した彼女だが、これからも人間として、女性として、まだまだ沢山の経験を積んで行くことだろう。その度にどんな作品を作り、歌っていくのか。シンプルゆえにアーティストとしての本質が浮き彫りになった直球勝負のステージを目の当たりにし、今後更なる進化に期待が高まった。(Text:松原由香里 / Photo:達川範一)

新山詩織 10th Anniversary live 〜My Roots〜 / 2022年12月12日(月)at 神田明神ホール セットリスト

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01. Don't Cry
02.「大丈夫」だって
03. 好きなのに
04. Hello
05. New
06. Smile for you
07. It's happy line(YUIカバー)
08. 涙がこぼれそう(The Birthdayカバー)
09. Looking to the sky
10. Free
11. ミルクティー
12. Do you love me?
13. だからさ
14. 帰り道
15. 絶対
16. Everybody say yeah
En. ゆれるユレル
 
【サポートメンバー】
森光奏太(ba)
上原俊亮(dr)
イシイトモキ(gt)
和久井沙良(key)

Live Info.

新山詩織イベント出演情報

「東京オートサロン2023」ライブステージへの出演決定!
TOKYO AUTO SALON 2023 “AUTO SALON SPECIAL LIVE”
新山詩織 出演日:2023年1月15日(日)
会場:幕張メッセ イベントホール
※TOKYO AUTO SALON入場券(3,000円 / 税込)で観覧できます。

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