楽曲の完成度と、表現力豊かな歌詞のセンスで、同世代のみならず、幅広い年齢層の支持を集める703号室。703号室とはZ世代の注目株、岡谷柚奈(Vo, Gt)によるプロジェクトである。さる7月3日(703号室の日)には渋谷クラブクアトロで1stワンマンを開催。満員のオーディエンスを熱くさせたのは記憶に新しい。
そんな彼女が10月10日、待望の2nd ONEMAN LIVE『ADDICT』をSpotify O-WESTで行なった。会場は開演前から詰めかけたファンの熱気であふれ、ライブの期待感はいやが上にも高まっていく。
開演時間となり、SEが流れると、場内からは自然と手拍子が起こる。ステージにバンドメンバーと岡谷が登場し、緊張感が高まったところで、ライブはアグレッシヴなナンバー「人間」で幕を開けた。痛烈な歌詞が聴く者に突き刺さり、パワー全開のオープニングである。2曲目ではアップテンポでキャッチーな「fliP」でさらに高揚感を煽った。
最初のMCで岡谷はライブのタイトル『ADDICT』(=中毒)にちなみ、「皆さんを703号室中毒にさせるので、最後までついてきてください!」と頼もしく宣言。
次なるブロックでは「描く未来が見えなくても諦めないで欲しい」との思いを語り、心に寄り添うポップチューン「僕らの未来計画」や、切ない恋心を歌った「裸足のシンデレラ」などの人気曲を披露。その後も、疾走感のある「アウトサイダー」から、しっとり聴かせる「トワイライト」など、様々なタイプの楽曲を歌い分けていく。
中盤では「EGOIST」や「青星」など、世の中への強いメッセージを注入した楽曲をプレイ。観客を圧倒していく。
後半では、このワンマンのために用意した新曲「アレルギー」をはじめ、「シトラス」「偽物勇者」など、アッパーな楽曲たちで、再び場内を鼓舞。最後は「朽世主」「花笑む」をじっくり聴かせて本編を締めくくった。
アンコールでは11月15日(火)深夜24時58分から放送がスタートする、TBSドラマストリーム『私のシてくれないフェロモン彼氏』のオープニングテーマ「バケモノ。」を書き下ろしたことを発表。会場からは拍手が起こった。その流れで「バケモノ。」を世界初披露。ドラマでは、現実と理想の狭間でもがくアラサー女子が描かれているのだが、聴き手の悩みに寄り添う703号室の楽曲との相性はバッチリだ。クールな曲調もドラマの世界観をもり立てるのは間違いない。大ラスではポップな鉄板曲「片想いうぉーかー」で、観客がタオルを振り回して一体感を演出。703号室は2ndワンマンも堂々と成功に導いた。
快進撃を続ける703号室だが、今後もライブが何本か決定している。機会があれば、ぜひ繊細かつ力強い彼女の生歌を体験していただきたい。間違いなく、成長期ならではの勢いを感じることができるはずだ。
タイアップ情報
TBSドラマストリーム『私のシてくれないフェロモン彼氏』
11月15日(火)地上波放送スタート 毎週火曜深夜24:58~25:28
※11月8日(火)より「Paravi」にて毎週火曜正午配信予定
オープニングテーマ:703号室「バケモノ。」