“日本のグレイトフル・デッド”とも称された伝説のバンド、めんたんぴん。
1972年に石川県小松市で結成、1974年『ワンステップ・フェスティバル』の出演をきっかけに全国のロック・ファンから注目を集めた。
アメリカ西海岸~南部ロックの影響を独自に咀嚼し、重心の低いグルーヴと切れ味鋭いギターで、70年代日本ロック・シーンに唯一無二の足跡を刻んだ存在である。
このたび、彼らの軌跡を示す3枚のオリジナル・アルバム──デビュー作『MENTANPIN』、進化を遂げた『MENTANPIN II』、そしてLA録音盤の『カントリー・ブレックファスト』が、最新リマスターを施しアナログ盤にて3カ月連続リリースが決定。
石川県小松から生まれた彼らが残した音の記録は、半世紀を経た今もなお新鮮な輝きを放ち、現代の若いリスナーにも響く力を持っている。
ローカルから世界へ。めんたんぴんのロックが、いま再び蘇る。
アナログリイシューについてのコメント
東京のスタジオでベーストラックを録り終え、伊豆伊東港に着いたのは真夜中だった。海からの風が気持ち良かった。グレートフル・デッドのドラマー、ミッキー・ハートは車を降り、全身に風を受けていた。
「ショダーン(僕の事)、風が何か云ってるよ。聴こえるか風の声が。風はどこにいても必ず何かを伝えてくれる」。
ボーカルの録音時、ミッキーはとても厳しかった。「ショダーンよ、シャウトするな! そこはストーリー・テラーに徹しろ!」
デッドのやり方を彼は僕らにていねいに教えた。「ハーモニーはクロスビーに習った。そのやり方を覚えて欲しい」。
リズムの取り方。コーラスでの歌詞の作り方。譜面の書き方。彼はまさに伝道師だった。その出来たての音をミッキーは電話でジェリー・ガルシアに聴かせた。「めんたんぴんはダイヤー・ストレイツに似てるとガルシアは云ったぜ」。僕は飛び上る程うれしかった。ガルシアは僕にとって最高のミュージシャンだった。
1974年2月。僕と柴田徹はサンフランシスコのカウパレスにいた。田舎育ちの僕が初めて体験する海外バンドがグレートフル・デッドだった。コンサート時間は五時間.バンド後方の壁は無数のスピーカーで埋め尽くされていた。僕らは世界最高の音を聴いた。あの時「めんたんぴん」の構想はほぼ出来上がった。
僕の故郷は石川県小松市。ブルドーザーの「コマツ」生誕の地だ。小松高校の同級生、池田洋一郎、石崎三郎、柴田徹に一学年下の沖村公平、明大中野だった飛田一夫、少し後に寺井貢が加わった。
僕らはどこにも所属せず独自の道を歩んだ。PAを4トン車に積み日本中をツアーした。数年後、メンバーは僕と飛田と石崎の三人になった。そしてミッキーと出会い、彼には渡米を誘われたが、僕らはピリオドを打った。心が疲れ果てていたと思う。
でも、レコード復刻を機に元のメンバーと共に小松に集う事にした。途絶えた物語の続きがやりたくなった。
「めんたんぴん」と云う物語の結末を創作したい。多分これがいわゆる最後の旅となる。好きな事は最後までやり尽くす。北陸のロックバンドだから。12月に小松で会いましょう。
応援よろしくお願いします。
2025年9月 佐々木忠平
めんたんぴん / MENTANPIN
Label:徳間ジャパンコミュニケーションズ|Distribution:TUFF BEATS
Format:LP
CatNo.:TBV-0097(TJJA-10071)
Barcode:4580187181601
定価:5,000円+税
発売日:2025年10月29日(水)
【収録楽曲】
<Side A>
1. コンサート・ツアー
2. 木こりの唄
3. 春
4. ロンリー:ナイト
5. スイート・エンジェル
<Side B>
1. ジンを一杯
2. 新しい海
3. Mr. 親泣かせ
4. ブラインド・ブルース
5. メキシコの山 DEALER'S BRUES
1972年、石川県小松市で結成。1974年の『ワンステップ・フェスティバル』で一躍注目を集めた骨太ロック・バンド、めんたんぴんの記念すべきファースト・アルバム。
アメリカ西海岸~南部系ロックからの影響を色濃く感じさせる重心の低いグルーヴと、切れ味鋭いギター。デビュー・シングル「コンサート・ツアー」、ライブ人気曲「木こりの唄」「メキシコの山」を含む代表作。
平均身長176cm超という屈強なメンバーが生み出すサウンドは、当時の日本ロックの“土の匂い”を感じさせつつ、現代の耳にもワイルドでフレッシュに響く。
▼予約受付中
めんたんぴん / MENTANPIN SECOND
Label:徳間ジャパンコミュニケーションズ|Distribution:TUFF BEATS
Format:LP
CatNo.:TBV-0098(TJJA-10072)
Barcode:4580187181618
定価:5,000円+税
発売日:2025年11月12日(水)
【収録楽曲】
<Side A>
1. 今日も小松の街は
2. 夕焼けまつり
3. 国道8号線
<Side B>
1. 「さい」やんなー
2. 帰り道
3. ロスト・プラネット・ミュージック
4. 山を越え 谷を越え(やってきた男)
ツイン・リードギター、ツイン・ドラム編成という圧巻のバンド・サウンドを打ち出した、めんたんぴんの真骨頂。
ブルースやローリング・ストーンズの粗削りなエネルギーに、グレイトフル・デッドのジャム感覚が交差するステージをそのままパッケージした。
「夕焼けまつり」「山を越へ 谷を越へ」といったバンドのテーマ曲をはじめ、駒沢裕城(スティールギター)、佐藤博(ピアノ)ら豪華ゲストも参加。
地方都市・小松を拠点に全国をロードしていた彼らの“熱”と“自由”を刻み込んだ、日本ロック史を語るうえで外せない名盤となった。
▼9月18日(木)より予約受付開始
めんたんぴん / カントリー・ブレックファスト
Label:徳間ジャパンコミュニケーションズ|Distribution:TUFF BEATS
Format:LP
CatNo.:TBV-0099(TJJA-10073)
Barcode:4580187181625
定価:5,000円+税
発売日:2025年12月3日(水)
【収録楽曲】
<Side A>
1. 始まる場所は
2. 川が海へそそぐあたり
3. ツイストで踊り明かそう
4. わかってほしい人
5. 始まる場所は(リプライズ)
<Side B>
1. ロック野郎
2. 海
3. みんな同じ夜をむかえてる
1976年、LAのワーナー・ブラザース・スタジオでレコーディングされた唯一無二の作品。
アメリカ西海岸の乾いた空気感を吸い込み、池田洋一郎と飛田一男のクールなツインギター、沖村幸平&寺井貢のダブルドラム、石崎三郎のグルーヴィなベース、そして佐々木忠平の熱量あるヴォーカルが疾走する。
代表曲「始まる場所は」「ロック野郎」、7分を超える大作「海」、そしてサム・クックの名曲を日本語でカヴァーした「ツイストで踊り明かそう」など聴きどころ満載。
ローカルから世界へと飛び出した彼らの挑戦が、時を超えて響くサード・アルバム。
▼9月25日(木)より予約受付開始