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1970年、ジミ・ヘンドリックス最後の夏。エレクトリック・レディ・スタジオのドキュメンタリー、伝説のアトランタ・ポップ・フェスティバルのライブ・パフォーマンスの二本立てで9月26日劇場公開決定

2025.09.10

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1970年9月18日に急逝したギタリスト/シンガーソングライターのジミ・ヘンドリックスが、私財を投げ打って作ったニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオの制作過程を追ったドキュメンタリー映画『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン』と、生前2カ月前の米ジョージア州でのライブ映像『アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970』が、二本立てで9月26日(金)より劇場公開される。
 

両作品の映画館での公開は日本では初めて。

エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン

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エレクトリック・レディ・スタジオは米N.Y.に現在もある名門レコーディング・スタジオの設計から完成に至るまでの紆余曲折を描いたドキュメンタリー作品。このスタジオを作ったのはジミ・ヘンドリックス。1968年、自身が納得する機材と環境を作るべくグリニッジ・ビレッジのナイトクラブを買い取る。当初は知人のミュージシャンやクリエーターらが集うヒップなクラブを考えていたが設計途中、商業スタジオ設立に舵を切る。当時、レコーディング・スタジオはレコード会社や大手企業が運営しており、ミュージシャンがスタジオを作るのは初めて。
スタジオ制作にかかった莫大な費用は全てジミ・ヘンドリックスが負担。毎週末に開いたコンサートの売上を建設費につぎ込むという自転車操業ではあったが、1970年8月26日にエレクトリック・レディ・スタジオは様々なトラブルを乗り越えてようやく開業に至った。しかし完成披露パーティーの翌日には次の公演地に向かい、9月18日にロンドンで急逝。本人がスタジオを使えたのは、工事期間の間の約10週間のみ。心血注いで作り上げたレコーディング・スタジオを再び目にすることはなかった。
 

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本映像ではバンド・メンバーのミッチ・ミッチェル、ビリー・コックスにスティーブ・ウインウッドらのミュージシャン。ツアー・マネージャーのジェリー・スティッケルズ、歴代のスタジオのエンジニア、建築家ジョン・ストーリークら様々な関係者が登場しエレクトリック・レディ・スタジオについて証言をよせる。なかでもジミのプロデューサーでもあったエンジニアのエディ・クレイマーの話しは、音楽ファンや音響関係者にとっては非常に興味深い。同スタジオでレコーディングされ、ジミの没後に発表された「Freedom」についてはコントロール・ボードを実際に操作し、ギターやベース、ドラム、ボーカルのパートを抜き出してレコーディング課程を語るシーンは、上質のミステリーの謎解きを聞かされているようで実にスリリングだ。
エレクトリック・レディ・スタジオはジミの没後も、レッド・ツェッペリン、スティーヴィー・ワンダー、デヴィッド・ボウイからU2、テイラー・スウィフト、レディー・ガガらに愛され現在も運営を続けている。
本作は2024年9月に「エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン」してBDリリースされているが、国内の劇場公開は初めて。

アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970

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ジミ・ヘンドリックス生前最後のツアー「The Cry of Love Tour」は1970年4月25日のLAを皮切りに、9月6日の独フェーマルン島まで北米/ヨーロッパを回った。このツアーでジミ・ヘンドリックスは英ワイト島フェスティバル(8月31日)、米アトランタ・ポップ・フェスティバル(7月4日)と英米最大規模の2大フェスに出演。
本作はジョージア州バイロンのミドル・ジョージア・レース競技場で開催された第2回アトランタ国際ポップ・フェスティバルのライブの映像だ。ジミは前年(1969年)のウッドストック・フェスティバルのトリに出演。この頃のアメリカで最も動員力を誇るアーティストで、この日もジミの人気は凄まじく20万人(40万人とも言われている)のオーディエンスを前に圧巻のパフォーマンスを披露。
メンバーはザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスからの盟友、ミッチ・ミッチェル(ドラム)。バンド・オブ・ジプシーズからのビリー・コックス(ベース)という盤石のトリオ編成。「フォクシー・レディ」「パープル・ヘイズ(紫のけむり)」「ヴードゥー・チャイルド (スライト・リターン)」といった、それまでにリリースしたアルバムの中からお馴染みの曲を次々に演奏。また、この時点では発表していない新曲 「Straight Ahead/アルバム"The Cry of Love(1971年5月)"収録」も披露。この日はアメリカの独立記念日。前年のウッドストック・フェス以来、今やすっかりジミヘンの代名詞ともなったアメリカ国家「星条旗よ永遠なれ」が演奏されるや、場内の盛り上がりも最高潮に達した。ジミヘンの後ろでは独立記念日を祝う花火も打ち上げられ、このコンサートのハイライトとなった。
 

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さらに本作品ではギターソロに入ったジミヘンの手元部分を映し出したシーンも多い。あの名曲の指の動きが垣間見られ、ギター好きにとってはたまらない映像だ。
「アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970」はドキュメンタリー「Jimi Hendrix: Electric Church」というタイトルで2015年に米国でTV放送。2019年1月にはアメリカ国内で劇場公開されており、本作は同作品から演奏シーン10曲をセレクトし編集したヴァージョン。また「Freedom: Atlanta Pop Festival」というタイトルで2015年8月に2枚組CDでリリースされている。
 
映画「ジミ・ヘンドリックス『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン&アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970」は、9月26日(金)より全国映画館で公開。劇場の詳細は作品公式サイトを参照していただきたい。

作品情報

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タイトル:ジミ・ヘンドリックス『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン&アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970』
原題:Jimi Hendrix - Electric Lady Studios: A Jimi Hendrix Vision / Jimi Hendrix: Electric Church
監督:ジョン・マクダーモット
出演:ジミ・ヘンドリックス、スティーヴ・ウィンウッド、ビリー・コックス、ミッチ・ミッチェル 他
2024年(イギリス)/ 英語
上映時間
ジミ・ヘンドリックス『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン:90分
アトランタ・ポップ・フェスティヴァル1970:47分
トータル:147分(10分のインターミッション含む)/5.1ch /日本語字幕:上田達郎
コピーライト:©2015,2021 EXPERIENCE HENDRIX L.L.C.
 
公開日:2025年9月26日(金)
公開劇場:109シネマズプレミアム新宿、TOHOシネマズ 日比谷 他全国順次公開
配給:Screen The Live / IAC MUSIC JAPAN / Santa Barbara Pictures
 
<エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン / 劇中使用曲>
Freedom / Valleys of Neptune / Ezy Ryder / Angel / Izabella / Lover Man
Night Bird Flying / My Friend / Dolly Dagger / Pali Gap / Straight Ahead / Drifting
Beginning / Stepping Stone / Hey Baby(New Rising Sun)/ Earth Blues /
In from the Storm / Room Full of Mirrors / Astro Man / Belly Button Window
 
<アトランタ・ポップ・フェスティバル1970 / 収録曲>
01.Fire / 02. Spanish Castle Magic / 03. All Along the Watchtower / 04.Foxy Lady / 05. Purple Haze / 06. Hey Joe / 07. Voodoo Child(Slight Return)/ 08. Stone Free / 09. The Star-Spangled Banner / 10.Straight Ahead 

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