「説明」「空耳ボイパ」など、日本語を操るネタを持ち味とし、短歌でも多数の受賞歴のある彼の初作詞・初歌唱作品。ことばの隅々まで注目していただきたい。
懐かしくも力強いオルタナティブロックと繊細な詩が絡み合う今作、必聴だ。
鈴木ジェロニモ コメント
しそのあぶらみそ。検索すると「大葉味噌」がサジェストされる。記憶の最初のあたり。夕方の食卓で母か祖母が作ったそれを食べた。「しそのあぶらみそ」。母か祖母がそう言った。食べると舐めるの間のように口に入れて奥歯で噛む。知ってる甘さと知ってるしょっぱさの上を知らない香りが走る。うまい。おいしい。感情が体を踊らせる。必要な音を声でまかなう。食卓で踊る私を家族がおもしろがる。あれは歌だったと思う。