オーストラリアのシンガーソングライターで作家、脚本家、画家、俳優としても知られるニック・ケイヴ。
彼が70年代、人生で初めて組んだバンド、ボーイズ・ネクスト・ドア改め〈バースデイ・パーティ〉の軌跡を追ったドキュメンタリー映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』がシネマート新宿にて4月25日(金)より公開。このたび40秒の日本版予告編が解禁された。
このたび解禁となった予告編第2弾は、『RELEASE THE BATS』が鳴り響く冒頭、“RELEASE THE BATS”のテキストと共に「コウモリを放て、コウモリを放て、痛いに決まってる、100匹もスカートの中にいる、痛いに決まってる」という歌詞から始まる。
40秒という短い時間の中に攻撃的な圧巻のライブパフォーマンス映像を詰め込み、その衝撃は観る者を圧倒する。
バンドが躍進しつつも世界に順応できず、自滅へと突き進む様を垣間見る。
▼『バースデイ・パーティ/天国の暴動』予告編YouTubeリンク
1970年代前半に学校で知り合ったニック・ケイヴ、ミック・ハーヴェイ、フィル・カルヴァートによってオーストラリア、メルボルンにて結成されたバンド、ボーイズ・ネクスト・ドアを母体に、活動途中に突如バンド名を改名したポスト・パンク・バンド、バースデイ・パーティ(The Birthday Party)。
商業性を無視、己の魂の純粋表現のみを目的に破滅的なライブを繰り広げたバースデイ・パーティは地下世界にとどまらない影響を拡散するも、バンドは拠点をオーストラリアからイギリス、ロンドン、そしてドイツのベルリンへと移し、1983年、自滅した。
そのボーカルであるニック・ケイヴは現在のバンド、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして本年のグラミー賞では最新アルバムから2部門でノミネートされるなど、40年以上のキャリアを誇りつつ、いまだ人気の衰えを知らないアーティストとなっている。
本作『バースデイ・パーティ/天国の暴動』は、メンバーのミック・ハーヴェイが音楽監修を務め、『ベルリン・天使の詩』(1987)にニック・ケイヴがニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとして、そしてミック・ハーヴェイとローランド・S・ハワードがクライム&ザ・シティ・ソリューションのメンバーとして出演するなど、バースデイ・パーティの面々の長年の友人である映画監督、ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務めている。
監督は国連からドキュメンタリー作品の制作を依頼される社会派映像作家として知られ、以前はオーストラリアにてバットホール・サーファーズほか多くのミュージシャンのポスターやアートワークを手掛けてきたイアン・ホワイト。
ホワイトはバースデイ・パーティ最初期のメルボルンでのライブを実際に目撃している強者。このドキュメンタリーは当初、2000年代にギターのローランド・S・ハワードがスタートさせたプロジェクトだったが、2009年にハワードが癌で他界。残されたメンバーとハワードの遺族からの依頼でプロジェクトを引き継いだホワイトが完成させた。
それまで幾度もドキュメンタリー映画制作を打診され、そのすべてを断っていたバースデイ・パーティはハワードのプロジェクトを最も信頼できるホワイトに託した。
本作ではボーイズ・ネクスト・ドア/バースデイ・パーティの6年間の軌跡をインタビューやライブ映像はもちろん、無政府主義的な精神性、音楽の限界のみを追求した破滅的ライフスタイルをメンバー自身の言葉で綴る。
バンドの結成、メンバーの未公開プライベート映像、アニメーション・シーケンス、未公開ライブ映像、そしてロック史上最も伝説的なライブ・アクトのひとつをフィーチャー。
この映画は、バースデイ・パーティについて初めて正式に作られた、バンド公認の映画作品となった。
映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』は4月25日(金)よりシネマート新宿にて公開。以降、全国の劇場で順次公開される。
商品情報

映画『バースデイ・パーティ/天国の暴動』
監督:イアン・ホワイト|製作総指揮:ヴィム・ヴェンダース
出演:ニック・ケイヴ、ローランド・S・ハワード、ミック・ハーヴェイ、トレイシー・ピュー、フィル・カルヴァート
2023年|オーストラリア|98分|原題:Mutiny in Heaven: The Birthday Party
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キングレコード提供 フリークスムービー配給
4月25日(金)よりシネマート新宿にて、ほか全国順次公開