パレスチナの映画監督 ムハンマド・サウワーフとマイケル・ウィンターボトムの共同制作による追悼のドキュメンタリー映画『忘れない、パレスチナの子どもたちを』の公開記念トークショーが、アップリンク吉祥寺で10月25日(金)18時30分の回上映後に行なわれる。
登壇者は、本作の日本語版ナレーションを担当したミュージシャンの坂本美雨と写真家のハービー・山口。
坂本美雨は、オリジナル版とは異なるその包み込むような声で亡くなった子どもたちの生前の記録に光を当てている。また、2024年7月にパレスチナ・ガザ人道支援の義援金を集めるためのオークション企画「Watermelon Seeds Fundraiser(ウォーターメロン・シーズ・ファンドレイザー)」を立ち上げ、活動していることでも知られる。
現在、アップリンク吉祥寺のギャラリーで写真展を開催中の写真家のハービー・山口は2013年にヨルダン西岸地区を訪れ、パレスチナの子どもたちや人々との触れ合いを通じてパレスチナに対する深い思い出がある。
そんな二人が登壇し、パレスチナに関する思い出や現在の取り組みについて語り合う。
アップリンクでは本作の公開に伴い、映画を鑑賞した入場者一人に対して100円を、ガザの子どもたちを支援している団体に寄付する。
坂本美雨(ミュージシャン)コメント
今パレスチナで起きていることは“戦争”でも“宗教の争い”でも“ハマスが10月7日にしたことへの報復”でもなく、76年間続いてきたイスラエルによるパレスチナ人の虐殺と民族浄化です。
今この瞬間も世界は、無実の子どもが殺されることを許している。
好きなことがあった、やりたいことがあった子どもたち。
この映画は、消されてしまった命の一つ一つの物語を、私たちの胸にひとりひとり、刻みつける。
ハービー・山口(写真家)コメント
イギリスに滞在中の1973年に、第一次石油危機があったことから、産油国の生活に興味を持ち、クウェートから来ていた学生が数名英語学校にいたことから、冬休みに彼らを訪ね、クウェートに撮影に行きました。
ある日クウェートの大学を訪れた時、授業は英語で行われているのを見て、世界の公用語を強く意識しました。その大学のキャンパスで女子学生に話かけると、彼女はパレスチナ出身で「もう私は祖国に戻ることが出来ないの。」と悲しい眼差しで私に話してくれました。世界にはそうした状況の国があるんだと気付き、初めて私はパレスチナという国を意識しました。
商品情報
映画『忘れない、パレスチナの子どもたちを』ELEVEN DAYS IN MAY
2022年/イギリス/英語・アラビア語/84分/DCP/カラー/G
監督:ムハンマド・サウワーフ、マイケル・ウィンターボトム
ナレーション:ゾーイ・ウェイツ(英語版)、坂本美雨(日本語版)
撮影監督:サラ・アルハウ
音楽:マックス・リヒター
録音技師:メルワン・アル・サワ
サウンドエディター、リレコーディングミキサー:ロバート・ファー
カメラオペレーター:ハソナ・アルジェルジャウ
カメラアシスタント:ムハン マド・カデル
録音技師:メルワン・アル・サワフ
プロデューサー:ベン・ピアース、ハシム・アルサラフ、ムハンマド・サウワーフ、マイケル・ウィンターボトム
エグゼクティブプロデューサー:メリッサ・パーメンター
脚本・演出:佐野伸寿
日本語字幕翻訳:M.Nakamura / 字幕監修:師岡カリーマ・エルサムニー
配給・宣伝:アップリンク
©Revolution Films 2022
2024年10月4日(金)よりアップリンク吉祥寺、アップリンク京都にて全国順次公開中
【作品概要】
2021年5月の11日間で、少なくとも67人のガザの子どもたちが亡くなりました。
映画監督のマイケル・ウィンターボトムは、英国からこの攻撃のニュースを見た後、これらの若い犠牲者を追悼する映画を作ろうと決意しました。
そしてパレスチナ映画監督ムハンマド・サウワーフとドキュメンタリー映画『忘れない、パレスチナの子どもたちを』を共同で制作しました。
音楽は『メッセージ』のマックス・リヒター。マックス・リヒターによる音楽は、この映画の当時の日記です。
アーカイブと個人の証言を通じて、世界中の子どもたちとほぼ同じ希望、夢、野心を持つ、
男の子や女の子としてそれぞれの子どもたちの物語をこの映画は語ります。
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