写真・ブックデザイン/鈴木成一デザイン室 スタイリング/岡部みな子 ヘアメイク/秋月庸佑 衣装協力/STOF(03-6809-0464)
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターを担当し、Gotch名義でソロ活動も行なう後藤正文のエッセイ集『朝からロック』が2023年10月6日(金)に朝日新聞出版より発売。本日8月10日(木)より予約を開始する。
本書は、朝日新聞朝刊で2017年4月にスタートした同名の人気連載から厳選したエッセイを再構成。音楽、社会、政治、本、震災、コロナ、そして思わず笑みがこぼれそうな日常の一コマまで、後藤が立ち止まって感じ、考え、そして悩み、省みる姿が、書に果敢に親しむ音楽家ならではの感性で綴られている。
後藤正文は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターなど音楽家として活動する一方、東日本大震災の被災地、福島における活動や、故・坂本龍一の遺志を継いで神宮外苑再開発の見直しを求めるデモへの参加、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長を務めるなど、社会に横たわる問題に音楽家としてできる発信や活動を続けている。
これまでも言葉や文章で自らの想いを綴ってきた後藤が、「新聞で世の中について書くことは、毎回なかなかの緊張感があるし、自分がアップデートしていく感覚もある」と、これまでとは違った姿勢で(後藤の一つの表現では「ビーサンからスーツに着替えて」)執筆を続けてきた、朝日新聞の人気連載から、以下の項目を収載。
僕の牛丼で練習してください
パイタン健康法
二択の危うさ
ワクチン3回目の余韻
壊れにくい音楽
解散考
「男社会の一部」として
怒りと願いとカップヌードル
しなやかさのかたち
僕らが言葉を軽んじるとき
「愛」の曖昧さ
本当に日本人?
置き去りにしない「福興」へ
生き延びた僕は、僕に問う
時事的なテーマにふれつつ、一過性の時事として流さずに普遍的なこととして捉えていく思考、日々の暮らしの中で出会った人や出来事へのあたたかでユーモラスな眼差しの数々。そして、連載時の紙幅がもたらした短文ゆえの余韻は、読み手を「ともに考える時間」へといざなう。
また、書籍化にあたり、各章の扉でその章のテーマについて後藤が語る。
なぜ、「書き手」になったのか。なぜ、書き残すのか。
心のうちをそのままに、飾ることなく吐露した「まえがき」も必読だ。
<もくじ>
第1章 ひとりゴチる〈日々の章〉
第2章 ある日、どこからともなくやってきて〈コロナの章〉
第3章 良い音楽家は奏でる前に、聴く〈ロッカーの章〉
第4章 どん底から、未来を見ている〈世の中の章〉
第5章 誰かの語りに、そこにあるひとことに〈言葉と本の章〉
第6章 ここに生まれて、暮らしているから〈日本人の僕の章〉
第7章 そもそも僕たちはいつだって傲慢だ〈震災の章〉
「何もしないでいるほうが恥ずかしい」と、「見えないふり」「聞こえないふり」をしない、現場と社会と私たちをつなぐ活動と発信をつづける後藤ならではの熱く、そして静かな、ときにあたたかなユーモアがのぞく一冊だ。
写真:鈴木成一
【著者プロフィール】
後藤正文 ごとう・まさふみ
1976年静岡県生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターを担当し、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。Gotch名義でソロ音源も発表。近作では『Lives By The Sea』。レーベル「only in dreams」主宰。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長も務める。2018年からは新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞『APPLE VINEGAR -Music Award-』を立ち上げた。著書に『何度でもオールライトと歌え』『凍った脳みそ』(ミシマ社)、『YOROZU ~妄想の民俗史~』(ロッキング・オン)、『INU COMMUNICATION』(ぴあ)などがある。