ベーシスト柳原旭がソロ・プロジェクトを始動し、“Akira Yanagihara”名義で自身初となるアルバム『Hydro』『Abyssal』を2作同時にデジタル・リリースした。
2005年よりプロのキャリアをスタートし、山下洋輔や近藤房之助といった重鎮ミュージシャンから、関ジャニ∞やBoA、RHYMESTERなど多岐に渡るアーティストの低音を担い、“雑食性”を武器にジャンルレスなベースプレイを操る柳原旭。トラックメイカーとしての一面も持ち、自身が音楽制作を手掛けたジークンドー石井東吾 DVDサウンドトラックは今作に先駆けて配信リリースされ、好評を博している。
▲Hydro
▲Abyssal
インスト楽曲で構成された本作は、サウンドプロダクションを全て自分ひとりで手掛けることにこだわり、ベース・ギター・ピアノなどフィジカルなアプローチと様々なサンプリングを融合し、しなやかで洗練のグルーヴで仕立てた、柳原曰く<アナグラムのようなサウンドメイキング>で生み出されたもの。チルでメロウなサウンドスケープを全体にまといながら、リスナーの気分やあらゆるシチュエーションにアダプトする、いわば千変万化な耳心地が感じられるだろう。
『Hydro』は“水”をテーマに、「抗わずに委ねる、自在で時には破壊力にもなる」など、水が持つ多様な側面を人間の生きる力に見立てた楽曲群で構成し、『Abyssal』は“深淵”を意味し、「内在する人間の弱さ、深層にある儚くも揺るがない芯」を表現した楽曲を中心に収録。哲学的なコンセプトを内包しつつ、アウトプットは一貫してスタイリッシュな作品に仕上がった。
近年、プレイヤーによる自身のプロジェクトやリーダー作品への注目が高まる中、ジャンルの枠を縦横自在にグルーヴするカメレオン的ベーシストによる、マストチェックなセルフ・アルバムの登場だ。
▼Akira Yanagihara『Hydro』『Abyssal』アルバム・ティザー