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著者・大石始からのコメント
商品情報
南洋のソングライン ―幻の屋久島古謡を追って
著者:大石始
1975年、東京都出身。世界の音楽・地域文化を追いかけるライター、編集者。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。著書・編著書に『盆踊りの戦後史』『奥東京人に会いに行く』『ニッポンのマツリズム』『ニッポン大音頭時代』『大韓ロック探訪記』など。
発行者:国本真治
発行所:キルティブックス/キルティ株式会社
歴史民俗考証:長井三郎(屋久島「民宿晴耕雨読」オーナー)/荒木真歩(神戸大学大学院国際文化学研究科 )
取材コーディネート:緒方麗
装丁・デザイン:宮澤大起
表紙装画・挿絵:nakaban
地図製作:尾黒ケンジ
校正:坂本由佳
印刷製本:藤原印刷株式会社
価格:2,640円(本体2,400円+消費税)
初版:3,000部
判型:四六判(約19cm×13cm×2cm)
頁数:本文296P+折込地図4P
製本:並製本
ISBN:978-4-9910792-7-6
発売:2022年11月20日(日)
目次
●序章 異郷の記憶が刻み込まれた歌
屋久島への旅立ち/琉球音階の歌が屋久島に?/コロナ禍でのスタート
●第1章 歌であって、歌以上のなにか──真冬の屋久島へ
自然遺産登録以降の変容/ひと月に35日雨が降る島/先住民と移住者たち/“まつばんだ”の再生/詣所での不思議な体験/幻の“まつばんだ”音源を聴く
●第2章 歌に残るマージナルマンたちの痕跡
“まつばんだ”のルーツは与那国島にあった?/“まつばんだ”誕生に関する2つの説/政治的境界を越えるマージナルマン(境界人)/与那国島の與那覇有羽に聞く/“まつばんだ”を追う江草啓太さん・ゆうこさん夫妻/喜界島の“まつばんちゃ”/「シャーマンみたいなおばさん」のお告げ
●第3章 蘇生する「まつばんだ」──2021年2月
約1年ぶりに屋久島の地に降り立つ/山尾三省が生きた山間の集落/屋久島人としてのアイデンティティー/ひとりの音楽教師の挑戦/「やっぱり根っこがほしいんじゃないですか」/今日という日へのメッセージソング/祝い唄としての“まつばんだ”
●第4章 海の暮らし──屋久島の海民たち
与論島の漁師たちが持ち込んだもの/「ヨーロン、ヨーロン」と呼ばれて/屋久島南部にやってきた琉球の漁民たち/トビウオで海が埋め尽くされた時代/琉球人がもたらしたジュクジン網
●第5章 山から伸びる「歌の道」
不思議体験の宝庫/病床に山姫が現れた!/首里城には屋久杉が使われている?/法華宗と修験道の影響/“まつばんだ”から広がるソングライン
●第6章 明治生まれの歌い手たちの記憶
泊伝三郎が語る父、伝市/もうひとりの安房のスター、若松シマ/日高十七郎元町長が語るかつての安房集落/酒匂シゲの子孫に会う/ようやく浮かび上がった三姉妹の姿/歴史学者・鎌田道隆に聞く屋久島と琉球の繋がり/北と南のマージナルマンたちが出会う場所/神様も仏様も流れ着く島
●第7章 3度目の屋久島──2021年5月
山の世界に足を踏み入れる/魚のいない川/神々の遊園地、花之江河へ/安房のエンターテイナーたち/3姉妹のルーツがついに判明/命を祝福する歌
●最終章 島から島へ
指宿・松原田集落にまつわる謎/屋久島の北方に浮かぶ黒島に“まつばんだ”が?
●あとがき